プレミアム缶コーヒー、リニューアルして味はどう変わった? 味覚センサーで分析:2商品の味(2/2 ページ)
コンビニコーヒーへ対抗するため、メーカー各社が力を入れている「プレミアム缶コーヒー」。最近リニューアルしたというサントリーとダイドーの商品の味は、どう変わったのか。味覚センサーで味を分析してみたところ……。
味覚センサーを使って味を分析
両社のコメントを聞いて「リニューアルの際に、さまざまな工夫をしていることはよく分かった。しかし、味がどう変わったのか、よく分からない」という人も多いだろう。そこで、どんな食べ物・飲み物でも5つの味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)として数値化できる「味覚センサー」を使って、AISSY株式会社の鈴木隆一さんに両社の味を分析してもらった。
「リニューアル前のプレミアムボスは甘さが強く、あまり苦味がありませんでした。しかし、リニューアル後は甘さを少し抑えたことで、苦味と酸味をより感じやすくなっていますね。
一方、リニューアル前の世界一のバリスタは少し苦味が強かったのですが、リニューアル後は苦さを抑えたことで、甘味と酸味をより感じやすくなっています。
下の図を見ていただけますか。どちらの商品もリニューアル前は特徴がハッキリしていたのですが、リニューアル後は味が少し近くなっています。『これは甘いね』『これは苦いね』という分かりやすさはなくなりましたが、両商品とも『甘さ』と『苦さ』が混在したことで、より複雑な味わいを楽しめることができるのではないでしょうか」(鈴木氏)
味覚センサーを使って5つの味を分析してもらったわけだが、さらに「後味」についても調べてもらった。口に含んでから160秒後の味の変化を分析してもらったところ「リニューアル前のプレミアムボスは甘さが強かったので、後味が強かった。しかし、リニューアル後は甘さを抑えたことで、後味を感じにくくなっています。一方、世界一のバリスタについては、リニューアルによって後味の変化はほとんどありません。後味がしっかり残っていますね」
これまでパッケージに「リニューアルしました」と書かれていても、味の違いがよく分からないので興味を示さなかった人もいるだろう。ただ、今回のような形で新旧の味を科学的に数値化すれば、どのように“変化”したのかが理解できたはず。「いつも同じモノを食べて飲んでいる」という人も、リニューアルをきっかけに新しい商品を手にとってみてはいかがだろうか。
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