バーモントカレーが、中国で売れている秘密:新連載・水曜インタビュー劇場(5/6 ページ)
ハウス食品の看板商品「バーモントカレー」が、中国で売れている。中国では白いご飯の上にカレーをかけて食べる習慣がなかったのに、どのようにして普及させたのだろうか。同社・国際事業部の担当者に話を聞いたところ……。
パッケージにも工夫
香りについては、中国料理でよく使われている「八角茴香(はっかくういきょう:スターアニス)」を加えました。豚の角煮やデザートなどに使われているので、現地の人たちにとっては馴染みがあります。カレーに親しみを感じてもらえるように、八角茴香を選びました。
パッケージを見ていただくと、グリーンピースがのっていますよね。日本のモノにはのっていません。発売前に調査したところ、「グリーンピースがないと寂しい」という声がたくさんありました。そこで、グリーンピースとニンジンを多めにしています。
土肥: 日本で発売されているバーモントカレーって、「この地域では甘口が売れている」といった傾向があるのですか?
渡辺: いえ、ないですね。
土肥: 中国では、バーモントカレー3種類、ジャワカレー2種類を販売しています。地域によって売れ筋の傾向に違いがありますか?
渡辺: あります。四川料理といえば、唐辛子などの香辛料を効かせる辛い料理として有名ですが、その本場・四川省では他のエリアに比べて、「辛口」がよく売れています。中国全体では「甘口」が最も売れているのですが、日本では「中辛」ですね。
北京では日本式カレーのように食べている人が多いのですが、上海では“おかず”にして食べている人が多いようです。私たちとしては、ご飯の上にかけて……と提案しているのですが、お客さまはいろいろ工夫されています。
土肥: 上海でレストランをオープンする前に、家庭調査をしたんですよね。そのときに、カレーパウダーを使っておかずをつくっていることが分かった。その影響が残っているのではないでしょうか?
渡辺: その点については分かりません。ご指摘いただいたように影響しているのかもしれませんね。
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