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米ファストフード「タコベル」、約20年ぶりに日本“再上陸” なぜ今?渋谷に1号店(1/2 ページ)

全世界で6500店舗を持つメキシカンファストフードチェーン「Taco Bell」。このたび日本に1号店をオープンする。その裏側を同社の海外事業トップに聞いた。

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 10〜20代の若者を中心に高い人気を誇る米国のメキシカンファストフードチェーン「Taco Bell(タコベル)」が4月21日に日本1号店を東京・渋谷にオープンする。

世界26カ国で店舗展開する米Taco Bell。味にうるさい日本の消費者にも受け入れられるか?
世界26カ国で店舗展開する米Taco Bell。味にうるさい日本の消費者にも受け入れられるか?

 Taco Bellは、米国・カリフォルニアで1962年にグレン・ベル氏が創業。当時、トウモロコシの薄焼きパン(トルティーヤ)で肉、野菜などを包んだタコスやブリートといったメキシカン料理のファストフードは珍しく、すぐにチェーン店舗展開を始めた。その後、全米および海外へ出店を加速し、現在はKFC(ケンタッキーフライドチキン)、Pizza Hut(ピザハット)などとともに米YUM! Brandsのグループ傘下として、米国で6250店舗、海外で250店舗を運営するほどの企業規模になった。全世界で週間来客数は4200万人を超え、年間売上高は80億ドル。従業員数は15万人に上る。

 そんなTaco Bellが満を持して日本進出を果たしたわけだが、実はこれが“再上陸”。1980年代後半に東京や名古屋に出店するも、わずか数年のうちに撤退。以降は在日米軍基地に数店舗構えるだけだった。なぜこのタイミングで再び日本市場に参入するのか。Taco Bellの海外事業トップであるメリッサ・ロラ氏をインタビューした。

――Taco Bellの海外事業の現状を教えてください。

Taco Bellの海外事業責任者、メリッサ・ロラ氏
Taco Bellの海外事業責任者、メリッサ・ロラ氏

 Taco Bellは現在、ラテンアメリカ、アジア、欧州など26カ国に250店舗を展開しています。中でも好調なのがカナダ、コスタリカ、グアテマラです。カナダではKFCと連携した店舗をいくつも設置したり、コスタリカやグアテマラでは約30店舗ずつ運営したりと、他のエリアと比べても際立っています。

 引き続きこうした既存の市場を伸ばすとともに、新規市場の開拓にも力を入れていきます。約1年半前、親会社のYUM! Brandsが海外ビジネスを強化すべく、Taco Bell、KFC、Pizza Hutのブランドごとに独立した海外事業部門を組織しました。

 それに伴い、Taco Bellでは2023年までに海外店舗を1300店舗に拡大するという目標を打ち立てました。この戦略を進める中で新たな市場として最初に白羽の矢が立ったのが日本です。

――なぜ日本だったのですか。

渋谷の日本1号店
渋谷の日本1号店

 日本は元々ファストフードの市場が大きく、新しい味や料理などに対する消費者の挑戦意欲も強いからです。Taco Bellが提供するようなメキシカン料理の関心も少しずつ高まっているため、日本でも成功するチャンスが十分にあると考えました。

 ただ今回の日本進出は、フランチャイズ契約を結んだアスラポート・ダイニングからのアプローチによるものが大きかったです。彼らが何度もカリフォルニアのTaco Bell本社にやって来て、情熱的なプレゼンテーションをしてくれました。それに心を動かされました。

(編集部注:アスラポート・ダイニングは、焼肉チェーン「牛角」や焼鳥チェーン「とり鉄」などを運営。同社の檜垣周作社長によると、約3年前からTaco Bellにラブコールを送り続け、日本でのフランチャイズ契約にこぎ着けた。「これまでアスラポート・ダイニングは居酒屋など夜の業態が多かったので、昼間の業態を伸ばしたいと考えていた」と檜垣社長は話している)

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