第二の営業スキル――“好印象”の与えかた:最高の営業デビュー(3/5 ページ)
前回は、第一の営業スキルとして「営業がすべき5つのこと」について紹介しました。今回は2番目のスキル「好印象の与えかた」について。
好印象を与えるコツ:(4)身体距離
好印象のコツその4は「距離のとり方」です。距離といっても、心理的な距離ではなく、物理的な距離のことです。
先日、家電ショップへ行ったとき、ものすごく近くに立つ営業マンがいました。私は心の中で、「お、おいっ、顔がちけーんだよ……」と叫んでいました。そうなるともう、何を話しているのかまったく頭に入ってこないのです。
こうした物理的な距離のことを、武道の世界では「間合い」と言ったり、心理学の世界では「パーソナルスペース」と名付けたりしています。そこに入りすぎてはいけないのです。
では、「パーソナルスペース」というのは、実際にはどれぐらいの距離なのでしょうか? お互いが対面に立ち「前ならえ」をして、両者の指先が触れない距離を目安にすると良いです。
つまり、初対面で名刺を渡すときに一時的に近づいたとしても、名刺交換をしたら適切な距離感を保とうとすることが大切です。
もし、資料を一緒に見たいとかで距離を詰めたい場合には、横向きに近づいていくと抵抗感が下がることが知られています。
好印象を与えるコツ:(5)表情
好印象のコツの5番目は「表情」ですが、そのコツをひと言でいえば「感情を表情に出すようにする」となります。
例えば、驚いているときには驚いている表情を、困っているときには困った表情を、うれしいときにはうれしい表情をするということです。感情が表情によく出る人というのは、好印象に受け取られるのです。
「えーっ? それって普通のことでしょ?」
そう思った人は大丈夫です。しかし、多くの日本人にとっては「感情を表情に出す」というのは、ちゃんとトレーニングしないとうまくできません。大人になるにつれて冷静になり、表情が減っていく人も少なくないからです。
だからこそ、表情を豊かにするために鏡の前でうれしいときや残念なときの顔をつくって、自然な表情を出せるようトレーニングする必要があるのです。
とくに笑顔は大切です。よく練習しておきましょう。口角を上げれば誰でも笑った顔はつくれますが、目の奥が笑っていないと相手に好印象を与える笑顔にはなりませんので、ご注意を。
関連記事
- 営業がすべき「5つのこと」とは
営業の仕事とは一体何でしょうか? 私は5つあると思っています。 - “売れる営業マン”にはワケがある
売れる営業マンと売れない営業マン――その差はどこにあるのだろうか。モノをよく売る営業マンに共通しているのは「営業の仕事の本質」を正しく理解していること。営業の仕事の本質とは……? - 営業未経験者が、入社3カ月でトップになった方法
とある浄水器を販売している会社で、営業未経験の女性がいきなりトップの成績を収めた。社内では、設立以来の快挙に驚きの声が。それにしても、なぜその女性は浄水機をたくさん売ることができたのだろうか。 - スターバックスに学ぶ、顧客満足度向上のポイント
スターバックスといえば、大手コーヒショップチェーンの中でも顧客満足度の高さ、リピーターや愛用顧客が多いことで有名です。そこで、なぜスターバックスがファンを獲得して支持されるのかを、サービスサイエンスを活用して考えてみました。 - 営業職の服装で優先すべきは、会社のイメージ
営業職の人は、ときに個人の印象が成果を左右します。しかし、服装選びではあくまでも会社の看板を背負っていることを忘れずに。優先すべきは会社のカラー、営業職たる自分の印象は最後に考えます。 - 2人に1人は「営業をやめたい」、その原因は?
営業の仕事で、何が重要になってくるのだろうか。重要だと思う能力を聞いたところ「営業トーク」が最も多く、以下「行動力」「外見(身だしなみ)」「説得・交渉力」(33.4%)と続いた。産業能率大学調べ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.