押さえておきたい――進化したクールビズの最新トレンド:導入から11年(2/2 ページ)
すっかり定着した感のあるクールビズですが、最近のトレンドとなっているデザイン、色、素材はどのようなものでしょうか。アイテムごとにチェックしていきます。
スラックス――おすすめはライトグレーのスラックス
綿素材のチノパン、昨年流行したホワイトパンツなどカジュアルなボトムスが若い層に人気ですが、「ネクタイやジャケットにも合う装い」との観点からすれば、間違いがないのはやはりスラックスです。
ここ数年、夏のスラックスは、ウエスト周りにヒダを取らずに仕立てた細身のノータックタイプが主流です。ジャケットを羽織らないスタイルには、そのほうがすっきり見えるためです。
「はき慣れないとハードルが高く感じるかもしれませんが、カッティングの工夫でお腹まわりにゆとりを持たせたノータックのスラックスも増えています。40〜50代の人も一度、試着してみるとよいでしょう」
スラックスの素材はジャケットとそろえるのが基本ですが、サマーウールや化繊にポリウレタンを混紡した素材も要注目です。ポリウレタンが入ることで伸縮性が高まるため、体を締め付けることなく、下半身のシルエットをきれいに見せてくれます。
色はライトグレーなど、薄いほうが断然涼しげに見えますが、淡色のスラックスは汗が表に響きそうで不安、という人もいるでしょう。その場合、トランクスをひざ上まで続いたロングタイプにしましょう。汗をかきやすい太もも周りの汗を吸うため、汗じみの心配がいらず、不快なムレも感じにくくなります。
小物――ベルトや靴は淡色でそろえると清涼感がアップ
ネクタイの素材はシルクだけではありません。着用する本人の体感温度に大きな違いはないものの、「見た目の涼しさ」は選ぶ素材で一変します。
「夏用のネクタイは、周囲に涼しさをおすそ分けするつもりで“清涼感”をキーワードに選びましょう。おすすめはシルクより涼しげで、ニットより改まった印象がある木綿のサッカー生地。表面に細かな凹凸のある夏向け素材で、見るからに涼しげです」
色を明るいパステル系の黄、緑、ピンクなどにすると、より爽やかさを表現できます。 またジャケット、スラックス、ネクタイを淡色にした場合は、靴もワントーン明るめが鉄則。
「ふだん黒を履いている人がとっつきやすいのはライトブラウン。もう少し冒険したいならネイビーやボルドーもおしゃれ。靴の色が明るくなると足元が軽やかになり、服装とのバランスがよくなります」
さまざまな靴の形があるなかで、爽やかさが身上のクールビズスタイルにマッチするのは、シンプルなプレーントゥです。
ベルトは革の型押しのほか、メッシュタイプも夏らしくおすすめ。色は靴と同系色にするのが基本です。ジャケットを羽織らないスタイルでは、ベルトはなおさら目立ちます。何年も使い、傷が目立つベルトを使うのはやめましょう。また短すぎたり、長すぎたりするベルトもだらしなく見えがち。体のサイズに合わせてきちんと調整することが重要です。
環境省が提唱するクールビズの期間は、東日本大震災以降、前後に1カ月拡大されたことで5月1日から10月31日までとなりました。長い期間をクールビズで過ごすだけに、ルールや傾向をしっかり把握して、日本の夏ならではのビジネスファッションを楽しみましょう。
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