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なぜ今“昭和型”コーヒーチェーンが増えているのか:新連載・消費トレンドから見る企業戦略の読み解き方(4/5 ページ)
コンビニコーヒーなどに押されて苦戦を強いられてきた「喫茶店市場」。しかし、ここ数年でV字回復の兆しを見せているのをご存じだろうか。そのけん引役になっているのは、西海岸風のオシャレな1杯……ではなく、日本の昔ながらの“昭和型”喫茶店だ。
このように、両社とも市場でのポジションにのっとった戦略を展開していることが分かる。しかし、このフルサービス型喫茶店市場でさらなる出店数の増加を目指す2社は、今後激しい立地争いを繰り広げると予想される。
さらに、数少ないこの成長市場を巡り、大手企業による新規参入も相次いでいる。銀座ルノアールが「ミヤマ珈琲」を郊外の住宅街でオープンしたほか、ファミリーレストラン最大手のすかいらーくは3月に「むさしの森珈琲」を横浜市にオープンし参入。また、うどんチェーン「丸亀製麺」のトリドールも「コナズ珈琲」を埼玉県や大阪府で展開し、競争は激化の一途をたどっている。
勝ち残りに向けた“次の一手”は
日本全国を見渡せば、まだ出店の余地は残されている成長市場であるが、今後もフルサービス型喫茶店の出店数は急増すると思われる。特に都市部の郊外ではすぐに飽和状態になり、企業淘汰の動きが出てくるだろう。
コンビニと同様、全体の売り上げを維持するために単純に店舗を増やすだけでは、限られたパイを奪い合い、既存店の売り上げを落とす悪循環に陥るだけだ。また、これまでより商圏人口の少ない“空白エリア”に出店するにしても、1店舗あたりの売上高を低下させるだけでなく、収益性も下がることが予想される。
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