連載
「天気を変えろ」という命令でも“NO”と言ってはいけない:外資系エグゼクティブの働き方(3/3 ページ)
いかなる場合でも、エグゼクティブには“NO”という言葉は通用しません。「私は仕事ができません」と自ら答えているようなもの。“NO”というのはクビを覚悟するのと同じことなのです。
「NOは存在しない」
日本でのビジネスシーンでよく見受けられるのが、「なかなか難しいですね」「厳しいかもしれません」と、先に「NO」の布石を打っておく答え方です。しかし、それだと「できません」「あきらめてください」と言っているのと同じ。そこで止まってしまいます。
「なかなか難しいですね」で止めずに、「なかなか難しいですが、それでは例えばこういうのはいかがでしょう」とあらかじめ用意しておいた代案を提示する。
そして、それがお客さまのお気に召さない場合は、そこでぐずぐずと粘らずに「それでは本日中に」「明日までに」と期限を区切ってセカンドベストを提供するチャンスをもらい再考する。このようなアプローチが必要になります。
最初から「NO」を言って相手に白旗をあげるビジネスのやり方は、リングにあがらずに試合放棄をするボクサーと同じです。常に自分に言い聞かせてみてください。「NOは存在しない」「絶対に!」と。会社に決まりがあるとしても、その範囲で抜け道を模索するか、少しでもその決まりを緩められるか挑戦してみること。
上層部や管理職に行けば行くほど「引き出し」がいっぱいになっています。そしてこれが、できるエグゼクティブかどうかの基準にもなります。
今回のポイント
「不可能」と思えることも、理想に近い代案を3つ以上提示すれば「可能」になる
関連記事
- ムチャクチャだけど筋が通っている“グローバルモンスター上司”とは
世界中どの会社でも「結果を出す人」にはどんな共通点があるのでしょうか。今回は「“正しい”ワンマンスタイルで人を動かす」について、エピソードを交えて紹介します。 - 最悪な上司とつきあう方法
仕事ができないのに、偉そうに振舞う上司は多い。そうした上司に対し、部下はどのように対応すればいいいいのだろうか。今回の時事日想は、バカな上司をうまく操る方法を紹介する。 - 外資系企業、非情な“クビ切り”の実態
「外資系企業=クビ切り」といったイメージがあるが、実態はどうなっているのだろうか? 全従業員の下位10%になればクビという米GEや、そのほか投資銀行や戦略コンサルティング業界のクビ切りの真相について、関係者から話を聞いた。 - 優秀な上司が自ら会社を去っていく、意外な理由
「優秀で仕事もできる先輩たちが、次々と会社を辞めていく」……最近こういう事例が増えているのをご存じですか。当事者に聞いてみたところ、意外な共通点があったといいます。それは……。 - 英語だけではダメ? 海外で活躍するために必要なこと――田村耕太郎さんの話
「グロバール化に対応するために、英語を勉強しなくては」と考えている人も多いだろう。ビジネスパーソンにとって英語力アップは大きな武器になると思うが、本当にそれだけでいいのだろうか。海外事情に詳しい識者に、グローバル人材になるための方法を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.