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「S660」はホンダの問題を解決できない:池田直渡「週刊モータージャーナル」(2/4 ページ)
ホンダがグローバル戦略の遂行に苦心している。特に欧州、アジアではシェアが低く厳しい状況だ。突出したブランド力を持つ同社がなぜ伸び悩んでいるのだろうか……。
日米に強く、欧州とアジアで弱いホンダ
さて、こうした中でホンダはどういう戦略をとっているのだろうか。ホンダは会社案内の中で、2014年以降の方針として「暮らしに寄り添う小さなクルマを、続々と」として、メキシコ、インド、インドネシア工場の新設や拡充によって「世界的に需要が高まる小型車を、お客様のニーズに応えて開発し、お届けする」という計画を打ち出している。
どうしてそういう計画が策定されたのかを確認するために、2014年のホンダのアニュアルレポートから各エリアごとにホンダの販売台数とシェアを見てみる。
国名 | ホンダの販売数 | 自動車販売総数 | シェア率 |
---|---|---|---|
日本 | 81.2台 | 569万台 | 14.27% |
北米 | 175.7万 | 1560万台 | 11.26% |
欧州 | 16.9万台 | 1230万台 | 1.37% |
アジア | 52.9万台 | 3071万台 | 1.72% |
日本でのシェア率14.7%は立派な数字だ。トヨタの同様の数字27.9%と比べると、企業規模やグローバル販売台数の差から見て日本マーケットでの健闘は見て取れるだろう。
さらに特徴的なのは北米での強さだ。2013年には北米生産車の他国への輸出が、日本から北米に輸出される台数を超えた。ホンダは1982年に北米に初の工場を建設して以来、生産拠点を次々と拡充し、深く北米に根を下ろした。1990年代までは、世界中のメーカーが北米を制することに血道を上げていた時代で、その時代のホンダははっきりと勝ち組だった。
日米では健闘中のホンダだが、欧州とアジアでのシェア率は低すぎる。特にF1で名を馳せながら欧州マーケットで1.37%しかとれていないのが非常に問題だ。上述のように、本来欧州では日本マーケットで売れるクルマでそのまま戦えるはずなのだ。
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