日本人選手に決定力がないと言うあなたに:「仕事人」か「会社人」(4/5 ページ)
スポーツの世界では「日本は組織力に優れているが、個人の力となるといまひとつぜい弱で、大事なところで勝ちを逃す」といったことがよく言われている。では、自分自身は「個として強い職業人」なのか。考えてみたところ……。
しびれるほどのリスクを背負って何か仕掛けたことがあるか
私自身、サッカー少年だったのでよく分かりますが、ボールを持って敵陣のペナルティーエリア内に侵入するときほど怖いものはありません。一気にディフェンスプレーヤーたちが自分をつぶそうと当たってきます。チャンスがありながらも勇気がなく、シュートを打てずじまいになることはよくありました。シュートを打つのは怖いものなんです。
さて、あなたは担当の仕事で、これまでにしびれるほどのリスクを背負って、単独で何かを仕掛けたことはありますか? または、大勢から猛反対を受けながら、何かを主張し、行動に移したことはありますか(結果はどうあれ)? サッカーで言えば、ともかく不格好でもいいからシュートで終わったかということです。
え? まだ平社員だから、そんな権限持って何かをさせてもらえない? 実はその考え方自体が、すでに上で触れた「会社人」意識にどっぷり陥っている姿かもしれません。
万年レギュラーポジションのダレは出ていないか
プロスポーツのレギュラーポジション争いは厳しい。野球なら9人、サッカーなら11人。その枠を狙って常に選手たちがしのぎを削る。スターティングメンバーに起用されなかった選手でも、試合中、ピッチの脇で監督に「オレを使え」と無言のアピールをする。
ひるがえって、会社員はどうでしょう。いつもなにかしら担当を任され、自分の仕事がなくなることはありません。むしろ人手不足の昨今は仕事が増えるばかりです。これはいわば、「万年レギュラー」の立場が保障されている状態です。もちろん安定的に長期雇用されることは望ましいことです。しかし、そこに甘えると保身にこもる悪い面が出てきます。安穏とした環境が強い個を生まなくなる大きな理由です。
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