コンビニのドーナツはミスドに勝てるのか:ご一緒に“おでん”いかがですか 2(2/3 ページ)
コンビニのドーナツの販売が好調のようだ。これまでにも、コンビニはフライドチキンで専門店に切込みをかけてきた。今回は、コンビニのフライドチキンと専門店の売り上げデータを分析しながら、ドーナツ戦争の行方を考察したい。
なぜ、ケンタッキーフライドチキンの売り上げが2014年に上昇したのか。新商品を発売したり、味を改良したり、さまざまな理由が挙げられると思うが、最大の理由は、消費者はコンビニのチキンの味に飽きたからではないだろうか?
ケンタッキーフライドチキンが導入している圧力フライヤーとコンビニのオープンフライヤーは、まるで別物と言ってもいいほど仕上がりが違う。コンビニ側は味を改良しなければいけないが、どうすればいいのか。筆者は店内に、圧力フライヤーの導入が最低条件とみている。
ドーナツの勝利条件
話をドーナツに戻そう。コンビニがドーナツ戦争に勝つためには「店舗製造」が必要だと思っている。現在、コンビニのドーナツはベーカリーメーカーでの製造が主流だが、ファストフーズを導入しているコンビニはフライヤーを設置しているので、店舗で製造から販売までの環境は整っている。
ローソンでは、既に一部のドーナツは店内のフライヤーで製造されている。こうした動きを踏まえると、今後、他のドーナツにも拡大されることは想像に難くない。
「おいしいモノを開発すればヒット商品になるのでは」と思っている人もいるかもしれないが、コンビニではちょっと違う。コンビニで販売されている商品というのは、1つのチェーンで広めようとしてもなかなか難しい。コンビニ全体で導入が進まないと、お客さんに認知されにくいからだ。
例えば、カウンターコーヒー。ローソンやファミリーマートはコーヒーを扱う店舗を徐々に増やしていった。筆者の店舗は比較的コーヒーの販売が早かったが、売り上げはイマイチ。マシーンは大きいので邪魔……。「このままで、コーヒー大丈夫か?」と思っているときに、セブン‐イレブンが「全国展開を始めるぞー! しかも一斉にするぞー!」と大々的にPRしてくれた効果もあって、その後は売り上げがドーンと上がったのだ。
関連記事
- ミスドとセブンのドーナツ、味はどのくらい違うの? 味覚センサーで分析
セブン-イレブンがドーナツ市場に参入する。「形がミスタードーナツとそっくり」といった声がでているが、味もそっくりなのか。「味覚センサー」を使って、セブンとミスドのドーナツを分析してもらったところ……。 - なぜ小さなコンビニが、セブンより下でローソンより上なのか
エキナカにあるコンビニ「ニューデイズ」の業績が興味深い。1店舗の1日の売上高に相当する日販は、セブンが65万5000円、ローソンが51万9000円に対し、ニューデイズは57万円。小さなコンビニが、なぜ大手の一角に食い込むことができたのか。担当者に聞いたところ……。 - もう振込用紙を持って来ないで! コンビニが「収納代行」を止めたい理由
「電気・水道・ガス・電話などの利用料金はコンビニで振り込んでいる」という人も多いだろう。しかしこの「収納代行」……とにかく面倒で、コンビニオーナーだけでなく本部も「止めたい」と思っているのではないだろうか。 - ローソンもドーナツ市場に参入、試験販売で何が分かった?
大手コンビニがドーナツ販売に力を入れている中、ローソンも同市場に参入することを明らかにした。試験的に約600店で販売したところ、店の売り上げは……。 - ファミマがドーナツ強化 種類拡充、店頭に専用ケース
ファミリーマートがドーナツを強化。種類を拡充するほか、店頭に「FAMIMA CAFE DONUT」専用ケースを導入する。 - やっぱりコンビニのデリバリーは難しい、これだけの理由
ローソンと佐川急便が組んで配達と同時にコンビニの買い物もできるサービス「SGローソン」を立ち上げた。少子高齢化による買い物難民や過疎化が現実のものとなった今、昔ながらの“御用聞きスタイル”は定着するか。 - もう振込用紙を持って来ないで! コンビニが「収納代行」を止めたい理由
「電気・水道・ガス・電話などの利用料金はコンビニで振り込んでいる」という人も多いだろう。しかしこの「収納代行」……とにかく面倒で、コンビニオーナーだけでなく本部も「止めたい」と思っているのではないだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.