第2世代の携帯Javaは何が変わるのか?2002年にかけて,国内3キャリアは携帯Javaをアップグレード。第2世代に移行する。改良点はキャリアによってまちまち。差異はさらに拡大した。
各キャリアの仕様の違い各キャリアの第2世代Javaの仕様の違いを簡単にまとめると以下のようになる。
504iではスクラッチパッドが大幅に拡大──ドコモドコモの第2世代Javaが搭載される「504iシリーズ」は2002年春の投入予定(9月10日の記事参照)。パケット通信が下り28.8Kbpsに高速化されるほか,多くの改良が行われるもようだ。 ドコモのiiモード企画部長,夏野剛氏はJavaOneで行われた講演で,「次のiアプリは30Kバイトと大きなスクラッチパッド。スクラッチパッドはコンテンツの豊かさに大きく影響する」と語った。 Javaアプリケーション用の保存領域であるスクラッチパッドは,アプリケーション本体とは別に画像などのデータを保存しておける領域。従来は10Kバイトだったが,アプリケーションサイズとスクラッチパッドを足すと,J-フォンの仕様をも超えるサイズになるようだ。
自由度高めたJ-フォンのJavaJ-フォンは2002年1月のパケット端末投入(11月5日の記事参照)と同時に,一般の開発者がJavaアプリを開発,提供できるようにする。既に技術仕様は公開されており,新端末からは公式コンテンツ以外のJavaアプリをダウンロードして実行できるようになる(11月28日の記事参照)。 ただし,端末内のデータにアクセスできるなど自由度が高い仕様のため,無制限に公開できるわけではない。公開にあたっては「コンテンツアグリゲータ」と呼ばれる第3者機関の認定が必要。ネットワーク機能や,位置情報,着信履歴,メール着信履歴などをJavaアプリから利用できるが,それらを組み合わせて使うことはできない(11月28日の記事参照)。 アプリサイズ80Kバイトにレコードストア(ドコモでいうスクラッチパッドに当たる)が20Kバイトと大容量なのもJ-フォンの特徴だ。 J-フォンJavaの大きな特徴である3Dポリゴン機能も拡張される。従来と同じくエイチアイ製のエンジンが使われ(3月15日の記事参照),ポリゴンの半透過や光源処理がサポートされる。
J-フォンによると,これらの機能は「ソフトウェア自体をバージョンアップしたもの。処理は多少重くなるがハードウェア自体スペックも向上しているため問題ない」。従来と同じく特別なハードウェアを搭載せず,ソフト処理で実現しているという。 J-フォンのJavaはマルチメディア処理を主眼においていることもあってか,操作のレスポンスがよい。また一時停止や待ち受け機能など,電話機としての機能を損なわずJavaを利用できる(6月26日の記事参照)。この点は,ドコモのiアプリが電話機を使っているのか,Javaを使っているのか,モードを切り替えるように使う必要があったのに対して,自然な感じを受ける部分だ。
ついにHTTP通信対応──KDDIこれまでストレートタイプの「C451H」と「C452CA」だけだったKDDIのJava──ezplusも,次世代サービス対応機種からは標準サービスとなった。「C3000シリーズ」「C5000シリーズ」では,ついにHTTP通信をサポートする(10月2日の記事参照)。 また,ezplusからアドレス帳やデータフォルダの内容を参照したり,Cメールの送信も可能。逆にWebブラウザからezplusアプリケーションを起動することもできる。Cメールを利用して,3社のJavaの中で唯一端末間通信も可能で,オムロンのJumonというミドルウェアを使ってP2Pも実現している(10月24日の記事参照)。 ezplusからmail to,URL to,Phone toも可能になる。ドコモのiアプリでは,電話機能とJava機能が完全に分離されていたが,ezplusでは密接に連携した動作が可能になる。C3000,C5000シリーズの特徴であるgpsOneを使った位置情報を利用できるのも,ほかにはない特徴だ。 アプリケーションサイズは,50Kバイト+データストレージ(iアプリのスクラッチパッドに当たる)10Kバイトと従来と変わらないが,通信速度と料金面は有利。現在のところ“ムービーケータイ”こと「C5000」シリーズのみだが,低価格なオプションを付けることで64Kbpsによるダウンロードが可能だ。 約12Kバイト以上の大きさのアプリは,料金も大きく割り引かれる。日中の「お得タイム」と呼ばれる時間帯では,50KバイトのJavaアプリケーションも約50円でダウンロードできる計算になる。ドコモのiアプリが,わずか10Kバイトで24円のパケット料金がかかるのに比べると安価だ(11月12日の記事参照)。
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