Mobile:NEWS 2003年2月24日 10:50 PM 更新

各所が改良〜「A5304T」ファーストインプレッション

A5304Tに触れて最初に受けた印象は、「レスポンスが良くなった」ということ。大きな液晶と相まって、EZwebのブラウズも快適だ。BREW以外の点でも、A5304Tはなかなか魅力的な端末に仕上がっている

 auのBREW対応端末「A5304T」が発売された(2月21日の記事参照)。本機種でムービーメール対応端末は4機種となった。


機種A5304TA5303HA5302CAA5301T
メーカー東芝日立カシオ東芝
カメラ31万CCD34万CMOS31万CMOS31万CCD
ライト××
SDカード×××
着うた×
BREW×××
ezplus×
メモリ容量5Mバイト5Mバイト12.8Mバイト3Mバイト+SDカード

 4機種のうち、後発の3機種は着うた対応(2002年11月の記事参照)。A5304Tには矢井田瞳の「未完成のメロディ」が、A5303HとA5302CAにはCHEMISTRYの「My Gift to You」がプリインストールされている。カメラは各機種ともVGA撮影可能な31万画素以上のものを搭載。ただし撮影補助要のライト付きなのはA5304TとA5302CAのみだ。

 液晶はA5304T、A5303H、A5302CAで評価が分かれそうだ。東芝のA5304Tは2.3型という業界最大級の液晶を搭載。ただし色味は少々黄色がかっている。また解像度はA5301Tと同じ144×176で、液晶サイズは大きくなったが表示できる文字数などは変わらない。

 日立のA5303Hは2型と標準的なサイズ。しかし発色は非常にいい。カシオのA5302CAも2型で、色味は青がかっている。ただしバックライトの輝度は、業界最高といえるほど高い。


左から、カシオ「A5302CA」、日立「A5303H」、東芝「A5304T」。液晶の大きさでは東芝、明るさではカシオだ

細部が進化。レスポンスも向上したA5304T

 初のBREW対応端末として話題のA5304T(1月31日の記事参照)。今回はBREW以外の部分で、使い勝手がどうなっているかを見ていく。まず初めに、SDカードスロット搭載の「A5301T」と並べてみよう。


左がA5304T、右がA5301T。A5304Tになって、幅はほとんど変わっていないが長さは増した。厚みは28ミリから24ミリと薄くなっている。重さは110グラムと標準的。右の写真はACアダプタ。従来の東芝製端末には、かなり大きめのアダプタが付属していたが、A5304Tのアダプタはぐっとスリムになった


開いたところ。上がA5304Tで下がA5301T。ダイヤルキーの配置などは変わっていない。A5304Tには、BREWアプリの起動に利用する「アプリ」ボタンが設けられた

 A5301Tと比べると、ソフトウェア全体のレスポンスが増した。とりわけ高速で快適……というわけではないが、キー操作に対して表示が速く、下キーで連続してスクロールさせても以前ほどもたつく感じはない。

 とりわけ、EZweb閲覧時は快適だ。左キーで前のページに戻る時も、表示速度が増した。またWebページ表示時は、[>>][<<]キーでページ送りができるようになったことも、快適さに貢献している。ただし、メール閲覧時は左右キーがページ送り、[>>][>>]キーは次のメール、前のメールに割り当てられている。操作感がチクハグなところもある。


左はA5304T。右はA5301T。かな漢字変換機能は「Mobile Rupo」から「Mobile Rupo+AI変換」に進化した。従来予測変換を行うには左上のソフトキーを押していたが、A5304Tでは[>>][>>]キーで予測語エリアにフォーカスが移る。予測語からの選択は上下左右キーで行う必要があり、[>>][>>]キーは使えない。
また東芝のサイト(ezキー長押しでアクセス)から、辞書をダウンロードできるようになった。しかし、サイトには現在「お菓子辞書」「北海道地名辞書」「沖縄地名辞書」しか用意されていない。また、登録できる辞書は1種類だけだ

相変わらずムービーの圧縮には時間が

 動画撮影機能は4機種で特徴が異なる。

機種A5304TA5303HA5302CAA5301T
圧縮低速高速低速低速
ライト××
撮影中のズーム×××
着信ムービー××

 ムービーを撮影した場合、圧縮に時間がかかるのは相変わらずで、15秒の動画で約25秒が圧縮に必要(2002年10月の記事参照)。ただし圧縮中に「電源」ボタンを押せば途中のキャンセルができるようになっている。

 注目なのは、着信ムービーが設定できるようになったこと。撮影した動画を、電話着信時にサブディスプレイで再生することができる。


ムービーを着信画面に設定したところ。音声は別途、着メロや着うたを設定する

閉じたまま、撮影、メール送信〜オンリーメール

 A5304Tでは、特定の一人に画像付きメールを簡単に出せるオンリーメール機能が搭載された。あらかじめ、メールアドレス/件名/本文を設定しておき、撮影後、「オンリーメール」を選べば、画像付きメールが送信できる。

 動画も静止画も送信可能だが、不思議なところもある。折りたたまないと、オンリーメールが利用できないところだ。開けて撮った後、折りたたんでオンリーメールを出すこともできるが、少々謎な仕様である。


オンリーメールの流れ。折りたたんだ状態で選択用のサイドキーを押す。決定サイドキーを押すと、フォトかムービーかを選ぶ画面になるので、選択サイドキーで選び、決定サイドキーで決める。撮影後は、保存するか、オンリーメールか取り直しするか、のメニューが出るので、選択サイドキーで選んで決定サイドキーで決める。不思議なのは、途中からメニューの向きが変わること。「au」のロゴの向きで操作していると、途中から上下が入れ替わる


オンリーメールの設定

 静止画撮影は、A5301Tから大きな変更はないようだ。デジタルズームは2倍、3倍、6倍。VGA撮影も可能。撮影後、左上のメールボタンを押すことで、すぐにメール送信画面に入れるが、VGA撮影時は確認する間もなく自動的に保存されてしまう。メールでVGA画像を送る場合、後でデータフォルダを参照する必要がある。

 撮影補助用のライトは、手元を照らすのにも使える(2月19日の記事参照)。待ち受け状態からサイドキーを長押しすれば点灯し、長押ししている間中光る。

大柄に感じるボディ。ボタン操作には慣れが必要か

 A5304Tは、液晶が大きなこともあって、全体に大柄な印象だ。重さ、厚み共にスペック的には大きくないのだが、持った印象は大きい。

 ボタンは、特に十字キー周りのストロークが少なく、操作には慣れが必要だろう。方向キーを押そうとして誤って決定キーを押してしまったことが何度もあった。東芝製端末全般にいえることだが、ソフトキーが他社よりも1つ多く、十字キーの上に第3のソフトキーが来てしまっている。これが上下をうまく押すのを難しくしているようだ。


左はA5304Tの待ち受け画面。壁紙にカレンダーを重ねられる。中央は、決定キーを押したときに現れるランチャーメニュー。それぞれ数字キーの位置に対応しており、2キーで目指す機能にアクセスできる。機能は入れ替えることもできる。右は設定メニュー。それぞれガイドが表示される

 ともあれ、A5304Tは東芝にとって2世代目となるムービー端末。SDカードスロットこそないものの、必要となる機能はほとんどを備えており、価格もお手ごろだ。BREWを除いて考えても、魅力的な端末であるのは間違いない。

 東芝製au端末の課題だったレスポンスの悪さも、代を重ねるごとに改善されている。東芝製のソフトはもともと高機能だけに、A5304Tの完成度は高い。抹茶色、小豆色とボディカラーは独特だが、その中身はオーソドックスかつ高い完成度に仕上がっている。



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[斎藤健二, ITmedia]

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