超流通を実現する「Vodafone live!BB」登場
暗号化されたコンテンツと、コンテンツ鍵を別々にハンドリング。PCでコンテンツをダウンロードし、携帯に転送することになる。
ボーダフォンが、2004年冬商戦向け7機種で対応する各種サービスを発表した(11月10日の記事参照)。その中の1つとして、携帯とPCのプラットフォームを融合させ、超流通の仕組みを実現する「Vodafone live!BB」を開始する。
暗号化されたコンテンツと、その暗号を解く「コンテンツ・キー」を組み合わせた配信方式を採用。ユーザーはまず、ボーダフォンが運営する専用PCサイトで暗号化されたコンテンツをダウンロードする。その後、メモリカードやUSBケーブル、Bluetoothなどを利用してコンテンツを携帯に転送。改めて携帯からボーダフォンのライセンスサーバにアクセスし、コンテンツ・キーを購入するという流れになる。12月中旬以降から開始予定。
暗号化コンテンツだけなら、自分でダウンロードしたものをメール添付して他人に渡すことも自由。受信ユーザーは別途、コンテンツ・キーを購入して内容を視聴することになる。同方式を採用することで、P2Pネットワークなども配信経路に利用できる可能性がある(2003年11月19日の記事参照)。
視聴できるコンテンツは、たとえば数メガバイトから数十メガバイトの動画などが考えられるという。当初はショウタイム、スターゲートネットワーク、ゼット、テレビ東京ブロードバンド、ファンダンゴの5社がコンテンツを提供する予定。PCプラットフォームでブロードバンド映像を提供する企業が名を連ねていることが分かる。
そのほかのコンテンツの扱いも気になるが、「Vodafone live!BBは、エアーでダウンロードするには現実的ではないサイズのコンテンツを扱う」(ボーダフォン広報)。そもそもダウンロードが可能な着うたのようなコンテンツは想定外になっている。
暗号化コンテンツとコンテンツ・キーを別々に扱う配信方式は、これまでもPCプラットフォームでいくつか採用例があったほか(関連記事その1、その2、その3)、ドコモがPSPのゲームにiモードのライセンスキーを組み合わせた課金サービスを提供することを発表している(10月27日の記事参照)。
関連記事
- ボーダフォン、3G冬モデルのサービス公開
冬商戦向けに投入する3G端末7機種では、サービスも一新。メールやWebの容量が拡大するほか、ボーダフォン同士のメール受信が無料となる。 - 「WinMXで自由に交換してください」 ~NTTコムのP2P動画サービスとは?
P2Pによるファイル交換システムは、コンテンツプロバイダから長らく目の敵にされてきた。しかし、この巨大な流通経路を逆手にとってしまおうというサービスがある。その仕組みとは? - PSPのゲームをiモードで課金
PSPのゲームを買ってきて、ライセンスキーはiモード経由で購入。PSPに転送すると、ゲームがプレイできるようになる。 - 映画をP2P配信する「ポイントムービー」オープン
ポインテージは、映像コンテンツ配信サイト「ポイントムービー」をオープンした。月額1000円で見放題となるほか、1本300円のオンデマンド配信も行う。コンテンツはストリーミング配信、ダウンロード配信のほかに、P2P配信も考えているようだ。 - 禁断の「ダウンロード」で成功したアダルト事業者
著作権の問題から、とかく敬遠されがちなダウンロード配信。しかしこれに積極的に踏み込むことで、事業として成功を収めつつあるアダルト事業者がある。同社の取り組みを見てみよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.