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ウィルコム、次世代PHSの実験で伝送速度20Mbpsを達成
ウィルコムは、8月1日に無線局実験免許を取得した2.5GHz帯を利用する次世代PHSの実証実験で、目標とする伝送速度20Mbpsを達成したと発表した。
ウィルコムは9月20日、8月上旬から1年間をめどに実施している、2.5GHz帯を用いた次世代PHSの実証実験で、第1段階の目標として計画していた上り/下りの伝送速度20Mbpsを達成したと発表した。ちなみにドコモが8月31日からサービスを開始したHSDPAの伝送速度は上り384kbps/下り3.6Mbps、KDDIが12月からサービス開始予定のCDMA2000 1x EV-DO Rev.Aの伝送速度は上り1.8Mbps/下り3.1Mbps。
同社は8月1日に無線局実験免許を取得し(8月1日の記事参照)、虎ノ門地域のビルと郊外(場所は非公開)に1カ所ずつアンテナと基地局実験設備を設置して、2.5GHz帯でのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交波周波数分割多重)システムの伝送実験や、MIMOの性能評価などを行っている。また現行システムにも採用している、複数のアンテナを使って電波に指向性を持たせ、端末により強い信号を送れるアダプティブアレイアンテナを採用した場合の性能評価も行ってきた。
通信速度20Mbps以上の実現を目指している次世代PHSシステムは、2010年ころの実用化を目標にしており(1月27日の記事参照)、今後も実験装置の改良を重ね、開発と導入へ向けた実験および評価を行っていく計画だ。
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