“ほぼ全部入り”のハイスペック携帯。それならカメラの出来はどう?──「W52T」:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(4/4 ページ)
“ほぼ全部入り”が特徴のハイスペック端末「W52T」。カメラ機能もAF付きの有効324万画素──とauの春モデルの中で最も高いスペックとなっている。というわけで、その写りはどうか、使い勝手はどうか。3インチのワイドVGA液晶とともに早速検証していこう。
Bluetoothでさくっと転送。これ快適
では使い勝手と機能をじっくり検証していこう。
撮影時はサイドキーとダイヤルキー、好きな方をどちらも自然に使えるのがスライドボディのメリットだ。横向きも自然に構えられる。
側面の[シャッター]キーは、普通のデジタルカメラのそれような半押し対応となっている。軽く押すとAFが働き、さらに押し込むと撮影する仕組み。一方、ダイヤルキーで操作するときは[EZ]キーでAF、[決定]キーで撮影となる。
さて、側面には[シャッター]キーのほかに、[決定]キーとシーソー式の[▲][▼]キーがある。
曲者がこの[▲][▼]キー。普通、シーソー式のキーにデジタルズーム操作のための機能が割り当てられているのであれば、片方がワイド側で、もう片方がテレ側だと思うではないか。それが違うのである。[▲]キーは撮影補助用ライトのオン/オフ。そして[▼]キーは、押すごとに望遠側に移動し、望遠端まで行くと今度は広角側に戻ってくる……という仕組みになっている。これはなかなか珍しい。まぁ、この操作感が気になるのであれば、十字キーの左右で操作すればよいわけなのだが。
右上の[アドレス帳]キーで設定メニューが表示される。表示スタイルは縦位置撮影用の“ケータイモード”と横位置撮影用の“PCモード”で変化し、構える方向によって見やすく操作しやすいよう工夫されている。
撮影の設定項目は、シーンモード(美肌、美白、日焼け、風景、夜景、ナイト、グルメ、パーティー、文字、雪、あざやか、あっさりとややたくさんある。“美白”は肌を色白に見えるように撮影するモード、“日焼け”は肌を日焼けしたように撮影するモード)やホワイトバランス設定、露出補正などがあるほかはシンプルにまとまっている。特徴的なのは手ブレ軽減モードくらいだ。
ただ、この“手ブレ軽減モード”の項目は“カメラ設定”の項目のさらに下層にある。けっこう便利に使えるし、使用頻度も高いだろうから、ショートカットをダイヤルキーなどに割り当てるなどにて、一発で切り替えられるようにしてくれてもよかったかなと思う。
ところで、W52TはBIP(Basic Imaging Profile)に対応するBluetooth機能も搭載する。Bluetoothを利用した写真の転送は、保存後にデータフォルダから辿って操作することで行える。撮影直後に、そのままBluetooth経由でPCなどに転送保存できると非常に便利だと思うのだが、こちらは残念ながらできないようだ。
ともあれ、Bluetoothによる写真の転送はすごく便利だ。本機側で写真を選んでBluetooth送信し、ペアリング済みのPCで受け取るだけ。Bluetoothのバージョンにもよるが最高画質のデータも10秒ほどで転送できる。Bluetooth対応のプリンタやPCの普及とともに、今後、このような活用方法も携帯カメラ機能の標準となってくるのだろうか。
ちょっと地味なのが……難点かな
そのような感じで、カメラの使用感はすごくいい。比較的キビキビ動作するので扱いやすいし、ディスプレイも高精細かつ見やすい。保存時間は短く、Bluetoothもなかなか便利。480×800ピクセルの写真が“壁紙サイズ”というのも圧巻で楽しい。
では、写りはどうか。もちろん携帯カメラとしては高いレベルにあることは間違いない。光の条件がよければ非常にきれいに撮れるうえ、ディテールもそれなりによく描写できており、解像感もある。
しかし、条件が悪いと予想以上にジミな絵になってしまう傾向がみられた。ここが大変残念なところだ。やはり携帯カメラには、リアルで現実的な写真よりは、多少不自然でもオート設定のまま派手できれいに見える写真のほうが求められるのではないかと思う。
そういう意味で、ワイドVGAの高精細な大型ディスプレイを搭載した“ほぼ全部入り”となるハイエンドモデルであるだけに、写りがちょっとジミかな……と思えてしまったカメラ機能だった。
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