“ドコモ版iPhone”は出るのだろうか:ふぉーんなハナシ
記者が取材を通して感じたちょっとした疑問や、記事にできないくらい小さなネタ、小耳に挟んだうわさなど、携帯電話にまつわるよしなしごとをつれづれなるままに公開してしまうコラム「ふぉ~んなハナシ」。今回は、いろいろなうわさが立っている次期iPhoneについてのおハナシ。
Appleの新製品に関するうわさは常に絶えないが、同社が3月17日に「iPhone OS 3.0」の概要を明らかにして以降は、次期iPhoneのうわさをよく聞くようになった。
初代「iPhone」が発表されたのは、2007年1月9日のMacworld Conference & Expo 2007。そして発売は半年後の2007年6月29日だった。2代目の「iPhone 3G」は、2008年6月9日にWorldwide Developers Conference 2008でその存在が明らかになり、2008年7月11日に発売された。iPhone 3Gの登場から約1年、OSのメジャーバージョンアップを今夏に控え、6月8日から開催されるWorldwide Developers Conference 2009では、iPhoneに関する何らかの発表があるのは濃厚とみられている。
そんな状況で既存のiPhone 3Gユーザーが気になるのは、次期iPhoneがどんなスペックになるのか、どんな形状になるのか、といった点に加えて、「どのキャリアから出るのか」だろう。ソフトバンクモバイルが、iPhone 3Gの発売から1年を目前に控え、回線の2年契約でパケット通信料の上限を下げたり、新規契約時の端末価格を安くしたりする「iPhone for everybody」キャンペーンを開始したこともあって、他キャリアからも次期モデルが出るのではないかという推測はあちこちで聞く。
“他キャリア”の最有力候補は、NTTドコモだ。2008年の春に、3G対応版のiPhoneのうわさが出ていた頃には、「ドコモ優勢」といった推測もあった。ドコモから次期iPhoneが登場すれば、堅牢なインフラや高速なHSDPA通信などが快適に利用できそうなイメージがあるし、キャリアを変えたくなかったユーザーもiPhoneユーザーになる可能性が高くなるわけで、iPhoneにとってもユーザーにとっても、いろいろといいことがありそうだ。
では仮にドコモから次期iPhoneが登場するとして、それはソフトバンクのネットワークで使うよりも使いやすくなるのだろうか。まだ何も分からないので妄想でしかないが、“ドコモ版iPhone”については1つ気になる点がある。それは「FOMAプラスエリア」に対応しているかどうか。ドコモのFOMAネットワークは、2GHz帯を中心に運用されているが、山間部や地方、一部の地下街などでは、2GHz帯を補完するような形で800MHz帯の電波も使っている。FOMAプラスエリアに非対応の場合は、使えない場所が出てくる可能性がある。
RIMの「BlackBerry 8707h」をドコモショップで個人向けに販売しなかったのは、この800MHz帯に対応していなかったためだと「BlackBerry Bold」の発表会で関係者に聞いたことがある。プラスエリア非対応の機種だと圏外になってしまうショップもあり、Boldがプラスエリア対応を果たしたのには大きな意味があったのだという。
もっとも、仮にプラスエリアには非対応でも、ソフトバンクのネットワークの方が圏外になる場所は多い──ということも考えられる。都市部の快適さに比べたら、地方でつながりにくさは、多くのユーザーには関係ないことかもしれない。
次期iPhoneについては、あれこれ考え始めるときりはなく、答えなど発表の当日まで出ないのだが、今から6月のWWDC2009が待ち遠しい。
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