起動は速く、暗所に強く、端末を閉じたまま撮影――「P-07A」が目指した“使えるケータイカメラ”の姿:開発陣に聞く「P-07A」(2/2 ページ)
端末を閉じたまま、素早く起動し、カメラに“おまかせ”で撮影――。単なる画素数のアップにとどまらない“使えるカメラ”としての機能を追求した第4世代のVIERAケータイ「P-07A」。進化したカメラ機能を中心に、開発の舞台裏を聞いた。
秒間60フレームを実現した「モバイルWスピード」
秒間15フレームのワンセグの映像に中間画像を差し込み、動きを滑らかにする「モバイルWスピード」は、秒間30フレームへの補間から秒間60フレームへの補間にバージョンアップした。「動きの大きいシーンの滑らかさが従来より向上していますし、特にテロップなどの流れる文字は、残像感がなくなってくっきり見えると思います。補間する画像の枚数が増えれば当然データの処理量も増えるのですが、それを極力抑え、消費電力が低くなるように努力しました」(映像担当の井村康治氏)。また、複雑な動きの映像を補完する際、補間により絵が崩れてしまうことのないようソフトウェアを調整することも、今回の課題だったようだ。
横画面のユーザーインタフェースも改善した。「iモードブラウザも横画面で表示できますし、メーラーについても利用できる機能を増やしています」(ソフトウェア担当の高橋秀幸氏)。また、サブディスプレイでメールや待受Flash、iチャネルのテロップ、さらに録画したワンセグを表示できるなど、端末を閉じたままでのユーザビリティに配慮している点もポイントだという。
iアプリオンライン対応&さらなる大容量化を図ったゲームコンテンツ
パナソニックの統合プラットフォーム「UniPhier(ユニフィエ)」の処理能力を生かした本格的なゲームは、“P”のハイエンドモデルが継承してきたが、今回もその性能にさらなる磨きをかけている。
「まず『機動戦士ガンダムオンライン』ですが、P906iにプリインストールされた『ガンダム U.C.0079』の映像クオリティはそのままに、新たにiアプリオンラインに対応しています」(コンテンツ企画を担当した相澤淳氏)。オンライン対戦は最大6人の同時プレイが可能で、場所や時間を問わず日本中のユーザーと対戦が楽しめる。
P906iでは総容量60Mバイトの大作タイトル「レイトン教授と不思議な町」をプリインストールしていたが、P-07Aでは新たに「レイトン教授と悪魔の箱」とのコラボレーションが実現。「前回も非常に大容量なコンテンツだったと思いますが、今回はさらに容量を75Mバイトにまで増やしています」(相澤氏)。
また、ゲームの中で出題される“ナゾ”にも、オリジナル版とは異なる工夫が凝らされている。「オリジナル版ではタッチペンによる操作や文字入力が必要なところもありますが、ケータイ版ではキー操作のみですべてのナゾが解けるようにアレンジしています」(開発を担当した片井勇介氏)。タッチペンが使えないことを制約と感じさせない“ケータイならでは”の出題によって、オリジナル版を遊んだユーザーにも新しい楽しみが用意されているという。
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