これでイチキュッパなら安いヨ、たぶん──WiMAX対応の無線LANルータ「URoad-7000」ファーストインプレッション:iPhone 3Gより軽い/価格は1万9800円(3/3 ページ)
最近、“より便利”にモバイルデータ通信を利用できる小型無線LANルータが続々登場している。今回はそのうちの1つ、シンセイ「URoad-7000」のファーストインプレッションをお届けする。
無線LANで、複数台でかつ家庭用ゲーム機も回線を共有可能
URoad-7000は“WiMAX Speed Wi-Fi”機器だ。高速で快適なモバイルWiMAX通信を、複数台のPC、あるいはiPhoneやiPad、携帯電話、家庭用ゲーム機器などの無線LAN搭載デバイスで利用できる。
無線LANは、IEEE802.11b/g/nに対応する。特に3GやPHSも含めた携帯型無線LANルータにおいて、規格上、より高速に通信できるIEEE802.11nまで対応する機器はまだ少なく、IEEE802.11n対応無線LANモジュールを搭載するPCのほか、iPadやiPhone 4なども、高速なモバイルWiMAX通信と合わせてIEEE802.11n接続で利用できるのはポイントが高い。
また、2つのSSIDを個別に使える“マルチSSID”に対応し、11n+高セキュリティ設定の接続はPC、11g接続は家庭用ゲーム機というように使い分けられる。1つのSSIDあたり最大5台、合計10台まで同時接続が可能だ。もちろん、64/128ビットWEPやWPA-PSK(TKIP/AES)、WPA2-PSK(TKIP/AES)、SSIDステルス機能、MACアドレスフィルタリングといったセキュリティ機能もきちんと備えている。
URoad-7000とAtermWM3300Rで比較した同場所(ユーティリティによる電波状況は、RSSIが-42dBm、CINRが26dB)の実速度は、若干計測時刻の差など誤差範囲とも思われるがURoad-7000が若干高速だった。一方、第一世代のIntel WiMAX/WiFi Link 5150を内蔵するPCはアンテナ特性が優れるためか下りが優れる半面、PCの内蔵モジュールの上限が上り3Mbpsであるため上りがやや劣る結果となった。どれにせよ、ある程度良好の電波状況であれば上りも数Mbpsを余裕で実現できることが分かる。
さて、ワイヤレスデータ通信機能付きのモバイル無線LANルータが最近続々と登場しているが、3Gデータ通信は(都市部の良好電波状況であっても)実利用時は下りであっても4Mbpsを超えることはあまりないのが現状だ(また、通信キャリアによっては、通信速度の制限やネットラジオやSkype、インスタントメッセージングソフトなど、使用Webアプリケーション/ポートが制限される場合がある。
対してモバイルWiMAXはエリア内であれば、上りも下りも軽く4Mbps以上、場合によっては数十Mbpsもの速度で通信できてしまう。“WiMAX Speed Wi-Fi”という共通名称が示す通り、モバイルデータ通信に「スピード」を望むならモバイルWiMAXのほうが快適に使えるシーンが多いといえる。また、場合によっては局からやや遠いADSLサービス利用者など、固定ブロードバンド回線より高速であることもあるだろう。2010年6月現在、都市部を中心にWiMAXサービスエリアは日々拡大しているので、サービス初期につながらず、利用をあきらめた人も再度試してみてほしいところだ。単体で動作するURoad-7000SS(など)はそういったWiMAXチェッカーとしても使えてしまう(モバイルWiMAX非契約の場合もWiMAX網を経由したインターネットに接続でき、WiMAX契約サイト限定でアクセスできる。ここから即オンライン契約→使い始めることも可能だ)。
PCでは高速を生かした通信を「家と同じよう」に使うもよし、iPhoneやスマートフォンなどで「(おそらく)さらに高速な環境」で快適に高画質動画を楽しむもよし。外はもちろん、時には家でも、PCもWi-Fiケータイもスマートフォンも、家庭用ゲーム機も「URoad-7000」1つでインターネット通信を全部まかなえてしまえる──のは、使い勝手のほか、コスト面を含めて考えてもなかなかの魅力があるといえる。
関連キーワード
無線LAN | UQ WiMAX | モバイルWiMAX | ルータ | Wi-Fi | IEEE 802.11n | WiMAX Speed Wi-Fi | 無線LANルータ | モバイルルータ | Micro USB | モバイルバッテリー | iPhone 4 | シンセイコーポレーション | URoad-5000 | MW-U2510 | UQコミュニケーションズ
関連記事
UQ WiMAX1周年、より快適な「スピード」を訴求──2012年、“下り330Mbps”へ高速化
モバイルWiMAXサービス開始から1年、UQの野坂新社長、田中現社長が今後の事業戦略を述べた。インテル+マイクロソフトと共同で実施する訴求・認知活動に加え、2012年に下り330Mbpsサービスの導入することも示唆した。次世代PCデータ通信特集
モバイルWiMAXや3G/HSPAの旬なPCデータ通信から、次世代の高速通信まで、「PCでデータ通信を利用するユーザー」のためのPCデータ通信関連情報を随時更新!UQ、下限380円の新料金プラン導入──「基地局数、来年早々にイー・モバイルを抜く」
当初「“つながれば”快適だが……」とも揶揄されたモバイルWiMAXサービス。新料金プランの開始とともに「弱点はエリアだけ。毎月1000局ほど基地局を増加できる体力が付いてきた」とUQ田中社長が現状と今後の展望を述べた。「UQ WiMAX」スタート、ノートPC内蔵型も7月登場
モバイルWiMAXサービス「UQ WiMAX」が2月26日に開始。開通イベントには主要株主や総務副大臣が集い、“真のモバイルブロードバンド”の門出を祝った。WiMAX内蔵のノートPCも7月に登場する。UQ Wi-FiスポットでUQ WiMAXの申し込みが可能に
UQコミュニケーションズが、すべてのUQ Wi-FiスポットでUQ WiMAXへの申し込みを可能にする。UQ、全政令指定都市と県庁所在地をエリア化――WiMAX基地局は7000を突破
UQコミュニケーションズが2010年3月のサービスエリ拡大について発表。WiMAXの基地局数は7000を突破した。UQコミュニケーションズ、WiMAX搭載PCなどが当たる投票キャンペーン開催
UQコミュニケーションズは、オープン懸賞キャンペーン「GET WiMAX キャンペーン」を本日より開催。投票に参加するだけで応募可能だ。UQ WiMAX、JR駅構内111駅で利用可能に
JR東日本駅構内におけるモバイルWiMAXエリア化がじわじわ拡大。改札内コンコースや地下ホーム含め、全111駅で利用できるようになった。基地局とアンテナの裏側も披露――“UQの中”はこうなっている
UQがトライアルサービスを開始してから1年が経過した。同社は「UQコミュニケーションズサロン」と題した説明会を開催し、2010年の戦略やUQの内部状況を説明したほか、普段なかなか見る機会のない基地局や屋内用レピータ、アンテナを公開した。WiMAXの屋外基地局開設数が5000に到達――UQコミュニケーションズ
UQコミュニケーションズのWiMAXサービスの基地局開設数が5000に達した。あわせて1月のサービス拡大エリアも発表した。なぜ猫がビール箱に飛び込むのか?――UQ WiMAXのCM戦略
最近見たテレビCMの中で、飛び抜けてインパクトが強かったものの話をしよう。猫が走っていき、ビールの紙箱に飛び込むというCMだ。その飛び込みっぷりがすばらしく、しかも面白いのだ。UQ、屋内エリアの整備に本腰――WiMAX小電力レピータの包括免許を申請
UQコミュニケーションズが総務省に、WiMAX小電力レピータの包括免許を申請。屋内エリアの整備を本格化させる。UQ、WiMAX搭載機器向けに「15日間WiMAXお試し利用」を提供
UQコミュニケーションズが、WiMAX搭載のPCやデータ端末向けのお試しサービス「15日間WiMAXお試し利用」を12月7日から提供する。UQコミュニケーションズ、1日600円の「1Day」料金サービスを開始
UQコミュニケーションズは、UQ WiMAXの新料金プラン「UQ 1 Day」の提供を開始した。レノボ・大和事業所エンジニアが説く、WiMAX内蔵ThinkPadの可能性
レノボ・ジャパンは「ThinkPad T400s WiMAX内蔵モデル」とモバイルWiMAXに関する技術説明会を実施。「WiMAX普及は、“内蔵”がカギ」と、モジュールを内蔵することによるメリットを説明した。UQ WiMAX、7月1日に本サービス開始──1日プランやWiMAX内蔵PC購入時の利用概要も公開
UQ WiMAXの本サービス概要が決まった。4480円/月定額の基本プラン以外に1日単位の「UQ 1 Day」も開始し、WiMAX内蔵PC購入時や端末の買い増し時に必要な手続きの概要も明らかになった。“UQ入ってる”2010年版「nakata.net cafe」、原宿に期間限定オープン
中田英寿氏プロデュースの期間限定飲食店「nakata.net cafe」が東京・原宿にオープン。店内でワールドカップ全64試合の放送を行い、試合放映日は試合終了の翌朝まで営業。無料でWiMAX端末を貸し出すサービスも行う。新モデルの情報を随時更新:ミニノート/Netbook/UMPCのすべて
新作が続々と登場するミニノートPC。人気のVAIO type Pはもちろん、東芝や富士通、シャープといった国内メーカー製の新型Netbookに注目だ!!特集:Windows 7のすべて
10月22日に発売が決定した新OSのWindows 7。その最新情報をはじめ、VistaやXPの違いなどがすぐ分かる!! 各PCメーカーのアップグレード情報も網羅!!
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.