圧倒的によくなったカメラ性能――「iPhone 4」:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/3 ページ)
iPhone 4のカメラは、絵作りが根本的に変わり、大きな画質向上を果たした。これは画素数が300万から500万に上がったことよりも大きな変化で、iPhone 4のカメラは他のケータイと比べても十分満足行くレベルに仕上がっている。
HD動画撮影機能もシンプル
カメラを動画モードに切り替えると、HD動画を撮れる。iPhone 4はカメラ機能と同様、撮影時の画像サイズは選べない。静止画は常に500万画素(2592×1936ピクセル)サイズ、動画は常にHD動画(1280×720ピクセル、720p)である。カメラ機能ではVGA動画は撮れない。フレームレートは秒30コマ。けっこう滑らかだ。
動画モードにするとシャッターボタンが録画ボタンになるが、画面はそのまま。つまり16:9にならない。でも撮れる動画は16:9のHD動画である。左右の、画面に出ていないところも撮れちゃうわけだ。これは気持ち悪い。
そんなときは画面をダブルタップする。すると上下に黒い帯が入り、16:9の画面で撮影できる。
撮影中、被写体との距離がずれたら、画面をタップすればいい。すると動画撮影中でもAFを合わせ直してくれる。動画時のデジタルズームはなし。音声はモノラルだが44.1kHzとサンプリング周波数は高めだ。
猫の動画に音声が入っていないように聞こえるのは、持ち方が悪かったからだ。マイクを塞ぐように持つと当然ながら音を拾ってくれない。片手で撮るときは注意したい。
従来の快適さはそのままに高画質を手に入れた
機能としてはこれだけだ。
気になるのはカメラ機能やディスプレイの高解像度化に、すでにあまたある写真系アプリが対応しているか、だが、ざっと見たところ、不具合があるものとないものの両方がある。表示はおかしくなるが実用は可能なものもある。
徐々にiPhone 4対応、あるいはiPhone 4での動作チェックが済んだアプリがアップデートとして提供されているので、しばらくはマメにアプリのアップデートをチェックすべきだろう。またカメラ性能が上がったことで写真系アプリのバリエーションもどんどん増えていくはずだ。
iPhone 4のカメラ性能は圧倒的によくなった。iPhone 3GSの持っていた味のある柔らかい写りが失われたのは残念な面もあるが、画質が向上したのは確かで、従来iPhoneは日本のケータイに比べてカメラ機能が劣ると思われていたが、スペック上はともかく(画素数ではiPhone 4の倍以上のものが既にあるわけだし)、見栄えや総合的な画質においては引けを取らなくなったと言える。
素早いカメラ起動や快適な撮影リズムという面では、iPhone 4は間違いなくトップクラスである。カメラに大事なのは画素数じゃないのだ。よく写真を撮る人、動画を撮りたい人はiPhone 4を購入しても損はなかろう。
関連記事
「次元が1つ違う」――進化した「iPhone 3GS」のカメラ
「iPhone 3GS」のカメラはスペックの進化もさることながら、“起動→撮影→保存→活用”という総合的な使い勝手が素晴らしく、「多機能と高機能は違う」ということを感じさせる仕上がりだ。「iPhone 3G」との作例比較や動画作例も交え、ファーストインプレッションをお届けしよう。笑っちゃうほど何もないシンプルカメラ、ピントの合う範囲が独特──「iPhone 3G」
“おまけ”とか“しょぼい”とも言われるiPhone 3Gのカメラ機能だが、実際のところはどうか。いくつかのシチュエーション別に撮った作例を中心に、改めて使い勝手や特有の「クセ」、ケータイ宛てに写真を送る方法などをチェックしていく。「iPhone 4」のHD動画撮影機能って使える? iMovieは買うべき?
「iPhone 4はケータイ市場を竜巻となって席巻する」と書いた前回のレビューでは、動画や写真の作例の一部、そしてRetinaディスプレイについて詳しく紹介しきれなかった。そこで今回は、iPhone 4の動画機能と「iMovie」、そしてRetinaディスプレイの解像感を改めて取り上げたい。その魅力はすべての人を惹きつける――iPhone 4は“ケータイ市場”を席巻する
「iPhone 4」を日本で使ってみて、WWDCで感じた驚きは空恐ろしさにも似た印象に変わった。デザインの美しさ、質感の高さと高性能なデバイスの使いやすさが相まって、店頭でパッと見て手にしただけで欲しくなる。iPhone 4はユーザーの裾野を拡大し、日本のケータイ市場を竜巻となって席巻するだろう。「iOS 4」アップデート開始――進化したポイントを速攻チェック
iPhoneとiPod touch向けの最新OS「iOS 4」の配信が開始された。マルチタスクやホーム画面のカスタマイズ、カメラや文字入力の新機能など、主な改善点を「iPhone 3GS」でチェックした。雨にも負けず、風にも負けず――アップルストア銀座の“iPhone 4行列”
24日に発売される「iPhone 4」を求め、アップルストア銀座には早くも行列ができている。ソフトバンク、「iPhone 4」を6月24日午前8時から販売
6月24日発売の「iPhone 4」について、ソフトバンクモバイルは同日の午前8時に販売を開始すると発表した。【iPhone 4対応版】旧iPhone分割払いユーザー向け――どう買えば新iPhoneはお安くなるの?
先日発表されたiPhone 4は非常に魅力的だ。もう買うことは決まっているのだが、iPhone 3GSの購入時とは異なり、今回はSIMカードを取り替える塩漬け運用ができないなどの問題もある。どうしたらお得に買えるのだろうか。iPhone 4、ホワイトは予約できる?――予約の前に確認しておきたいこと
6月15日の17時から始まる「iPhone 4」の予約受け付け。発売日の入手を狙うなら、予約はぜひしておきたいところだが、注意すべき点もいくつかある。「iPhone 4」の価格は16Gバイト実質0円、32Gバイト実質1万1520円から
ソフトバンクモバイルが「iPhone 4」の価格を発表。パケット通信料が固定のバリュープログラム(i)で契約すれば、端末価格は16Gバイト実質0円、32Gバイトは実質1万1520円となる。「iPhone 4」ソフトバンクモバイルが6月24日に発売 予約は6月15日から
ソフトバンクモバイルが6月8日、今月24日からAppleの新型iPhone「iPhone 4」の販売を開始すると発表した。6月15日から予約を受け付ける。「iPhone 4は最高!! たまらないね」とソフトバンクの孫社長
iPhone 3GSから1年で、再び大きな進化を遂げたAppleの「iPhone 4」。WWDC10に来場していたソフトバンクの孫正義社長も、iPhone 4を「一度触ったらもう戻れない」と絶賛した。厚さ9.3ミリ、高精細ディスプレイ搭載の「iPhone 4」発表
米Appleが、開発者向けの年次イベント「Worldwide Developers Conference 2010」で、次期iPhone「iPhone 4」を発表した。日本でも、米国と同じく6月24日に発売される。iPhone OS 4から改称した「iOS 4」のアップデートは6月21日に配布予定。来た、見た、触った!!――写真で解説する「iPhone 4」
WWDC 2010の基調講演で6月24日の発売が発表された「iPhone 4」。その実機にいち早く触る機会を得たので、まずは「iPhone 3GS」ユーザーとして気になったポイントを中心にチェックした。iPhone 4が「再び、すべてを変える」
モバイルインターネットやデジタルコンテンツの進化に影響を与えてきたiPhoneの最新モデル、「iPhone 4」は、再びモバイル業界に大きなインパクトを与えそうだ。iPhone 4の魅力と優位性、そしてその影響を考える。「iPhone 4」が再びすべてを変えるのか
WWDC 2010の基調講演で発表された「iPhone 4」は、“初代iPhone以来、最大の跳躍”と表現されるメジャーバージョンアップだ。動画と写真でファーストインプレッションをお届けする。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.