ブラウザ経由でコンテンツを共有――KDDIが進めるHTML5のマルチデバイス連携:CEATEC JAPAN 2012
スマートフォンをWebサーバとして活用し、他のスマホやタブレットでコンテンツを共有する――HTML5を用いたマルチデバイス連携にKDDIが着目し、プラットフォーム作りを進めていく。
ブラウザ経由でさまざまなサービスを提供できる「HTML5」が、スマホの分野でも注目を集めている。KDDIは、HTML5を用いたマルチデバイス連携に着目し、CEATEC JAPAN 2012で利用シーンを紹介している。今回はスマホのブラウザをWebサーバ(親機)として利用し、スマホのアドレス帳をタブレットに表示させたり、スマホに保存した写真をテレビに表示させたりするデモを実施している。
スマホのWebサーバを他のデバイスで利用するには、ブラウザからWebサーバのURLにアクセスすればよい。アクセス方法について「PCとは違い、タブレットやスマホはURLの入力に手間がかかるので、QRコードからアクセスできるような方法も検討している」(説明員)とのこと。Webサーバにアクセスすると専用のUI(ユーザーインタフェース)が現れ、スマホに保存されたアドレス帳、ドキュメント、画像、音楽などを他のデバイスから閲覧したり、スマホに保存されたブックマークを使ってブラウジングしたりできる。利用シーンは、スマホで電話をしながらタブレットで(スマホの)コンテンツを閲覧する、スマホの写真をタブレットやテレビに出力させて家族で見る、といったものや、スマホにインストールしたカーナビ用Webアプリを、Wi-Fi経由でカーナビに出力するといったものを想定している。
Webサーバとの接続には「WebSocket」と呼ばれる通信規格が使われており、レスポンスが良くスムーズにサーバのデータへアクセスできるのが利点。また、スマホの写真をテレビに表示させる際、スマホ上で写真を上方向にフリックすると、同時にテレビ画面の下の方からその写真が見え始めるといった効果も楽しめる。
「具体的なビジネスモデルはこれから」(説明員)だが、こうしたHTML5を活用したマルチデバイス連携のプラットフォームをKDDIが開発し、Webアプリ開発者と協力していく構えだ。
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