確かにスタートダッシュが違った――ドコモの「ACアダプタ 04」を試す:純正オプション
ドコモが発売した最新のスマホ用充電器「ACアダプタ 04」。出力電流を増やすことで急速充電を可能としたモデルだが、実際にはどれくらい速く充電できるのだろうか。
NTTドコモは10月11日、冬モデルとしてスマートフォン10機種、タブレット1機種、iモードケータイ4機種、フォトパネルとモバイルWi-Fiルーター各1機種の、計17機種を発表した。
その冬モデルと同時に発表されたのが、スマホの急速充電が行える「ACアダプタ 04」。このACアダプターは、出力電流を従来品(ACアダプタ03)の1000mA(1A)から1800mA(1.8A)にアップさせ、対応端末なら従来の約1.25~1.5倍のスピードで充電が可能になる。バッテリー容量が増えつつある昨今のスマホ事情にマッチすることもあり、個人的には冬モデルそのものより注目していたアイテムの1つだ。同様のACアダプターはサードパーティからも発売されているが、ドコモの純正オプションとしてラインアップされた意義は大きい(たぶん)。
さて、利用する上で注意したいのが、対応スマホと組み合わせないと急速充電にならない点。対応機種は現時点で12機種あり、モデルによっては卓上ホルダの利用が必要など条件がある。詳細は下の表を参照いただきたい。なお、対応端末以外でも充電は可能だが、その場合は“急速”ではなくなる。
条件 | 対応機種 |
---|---|
ACアダプタ 04使用時 ※卓上ホルダとの併用可能 |
GALAXY Note II SC-02E AQUOS PHONE ZETA SH-02E Optimus LIFE L-02E Optimus G L-01E ARROWS Tab F-05E(同梱のACアダプターでも急速充電が可能) |
ACアダプタ 04と同梱品の卓上ホルダ併用時 | MEDIAS U N-02E Disney mobile on docomo N-03E N-02E ONE PIECE Xperia AX SO-01E |
ACアダプタ 04と別売の卓上ホルダ(N41)併用時 | MEDIAS Tab UL N-08D |
ACアダプタ 04のみ使用時(※) | ARROWS Kiss F-03E ARROWS V F-04E |
※:端末付属のワイヤレスチャージャーや卓上ホルダを使わない場合 |
ということで、11月下旬に発売されたACアダプタ 04を使って、どれくらいの速さで充電が可能なのか試してみた。なおACアダプタ 04の価格は1575円で、全国のドコモショップで販売されている。
充電した端末は「Optimus G L-01E」。バッテリーの容量が、ドコモの秋冬モデルのなかでもかなり大きい2210mAhもある。ACアダプタ 04単独でも、また端末付属の卓上ホルダを使っても急速充電が可能な機種だ。バッテリー管理アプリの定番「Battery Mix」を使い、バッテリー残量が5%から100%になるまでの所要時間と、充電開始から1時間後に何%まで充電されたかを調べた。充電時の条件は以下の通り。
- Wi-Fi/GPS/Bluetooth/データの同期はすべてオフ。
- タスクマネージャからユーザーが終了できるアプリはすべて終了。
- 機内モードにはせず、モバイルデータ通信(3GとLTE)はオンのまま。
- 充電した場所はLTE圏内。
- 充電中は端末を動かさず、できるだけ放置。
- ディスプレイは最大輝度に設定。ただし充電開始とともに消灯させた(フル充電までに数回点灯させて充電状況を確認した)。
- Battery Mixの“監視間隔”は1分に設定。
以上のような環境で計測した5%→100%の所要時間は1時間52分。充電開始から1時間経過では、5%→88%まで充電された。グラフで見ると充電し始めのスタートダッシュがすごく、80%を超えるあたりから徐々に緩やかになっている。
比較用に、出力1Aのアダプター代表として「ACアダプタ SC03」でも同じテストをした。ACアダプタ SC03はドコモのSamsung電子製「GALAXY Note SC-05D」に付属するACアダプターだ。特定の端末に付属するものだが、手元にほかのドコモ純正品がないので登場してもらった。こちらは、5%→100%の所要時間が2時間27分。また1時間経過で5%→72%という結果だった。グラフはACアダプタ 04よりも直線的だが、後半の100%付近からフル充電までに少し時間がかかった。ただ2時間弱で95%以上まで充電できているので、実用上はACアダプタ 04との違いは少ないのかもしれない。
そして最後に、出力1A未満のアダプター代表として、たまたま編集部にあったバッファロー製のUSB充電器「USB105-0506」を使ってみた。出力は600mA(0.6A)で、USB2.0の電力供給仕様(5V 500mA)に近い。出力がACアダプタ 04の3分の1しかないため、充電にも時間がかかった。5%→100%の所要時間は3時間10分、1時間経過では5%→50%しか進まなかった。
バッテリー残量が5%から100%になるまでかかった時間を比較すると、出力1AのACアダプタ SC03は147分で、出力1.8AのACアダプタ 04は112分。確かに約1.3倍ほど速くなっている。先にも触れたが、ACアダプタ 04は充電開始から30分くらいのスタートダッシュがかなり効いている印象だ。対応機種を持っていて、忙しい朝など、出かける前のわずかな時間でもできるだけ多く充電しておきたいなら役立つだろう。
ただACアダプタ 04は、大電流を流すためか本体サイズがかなり大きい。ケーブルも一体型で外すことができず、向きも固定されている。ケーブルの途中には2カ所も膨らみがあり、収納するときにややかさばってしまう。
差し込みプラグの角度が変えられて収納できることや、ケーブルをまとめるクリップがあるなど、持ち運びを考慮した工夫があるものの、頻繁に持ち歩くにはちょっと気合いが必要だ。短時間で充電したいシーンといえば移動中や外出先も考えられるため、もう少しコンパクトになるとうれしかった。
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