インタビュー

「3インチ台も検討した」が――Xperia Z1 fが“4.3インチ”である理由開発陣に聞く「Xperia Z1 f SO-02F」(前編)(2/2 ページ)

Xperia Z1の“小型版“として注目を集めている「Xperia Z1 f SO-02F」。どのような過程で4.3インチというサイズに落ち着いたのか。デザインやカラーバリエーションの狙いはどこにあるのか。ソニーモバイルの開発陣に聞いた。

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Xperia Z1とZ1 fの部品レイアウトは「まったく違う」


機構設計担当の藤田氏

 小型化の影響で、Xperia Z1 fはXperia Z1の約8.5ミリより厚い約9.4ミリになってしまったが、Xperia Z1と同等の機能をこのサイズに収めた苦労は想像に難くない。機構設計担当の藤田氏は「持ちやすさや液晶サイズなどの外側が決まってから設計を始めたので、そこから大きくできない苦しさがありました。Z1の部品レイアウトを踏襲しながら小さく薄くできればいいのですが、それだと目標のサイズには到達できないので、一からレイアウトしました」と苦労を話す。

 藤田氏は「Xperia Z1とZ1 fのレイアウトはまったく違います」と話す。一番大きな違いは「基板とバッテリーの配置」だ。Xperia Z1では基板とバッテリーが並ぶよう配置しているが、Xperia Z1 fでは基板の上にバッテリーを重ねている。

 背面パネルを外した状態のXperia Z1 fを見せてもらったが、アンテナ、スピーカー、カメラを除けば、ほぼバッテリーで占められている(その下に基板がある)。「バッテリーはXperia Z1 f用に新規で開発し、効率よく収められるよう、幅や長さを調節しました」と藤田氏は話す。

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Xperia Z1 fの背面パネルを外したところ。バッテリーの面積が大きいことが分かる。バッテリーに載っている黒とオレンジのものはNFC/FeliCaのアンテナだ

 Xperia Z1よりも厚くなってしまったのはソニーモバイルにとっても悩ましいところだったようで、「もっとバッテリーを小さく薄くすることも大事では?」という議論もあったという。しかし「お客様の満足度を考えると、2300mAhがベスト」(内田氏)と考え、この厚さに落ち着いた。

 新たにマグネット式の充電端子は搭載したが、Micro USB端子はキャップ付きのまま。藤田氏は「検討中」と話していたが、他社の防水スマートフォンではキャップレス端子を実装しているモデルもあるので、今後の改善に期待したい。

 インタビューの後編では、バッテリー持ちの秘密について聞きます。

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