写真と動画で解説する「ARROWS NX F-02G」:やんちゃな優等生(2/2 ページ)
今まで安定性・使い勝手をキーワードに開発されてきたARROWS NX。「ARROWS NX F-02G」は、これらとARROWS初期のイメージである“全部入りハイスペック”の究極の両立を目指したマイルストーンになるかもしれない。
通信面では、ドコモスマートフォンとしては「GALAXY Note Edge SC-01G」と並んで初となる700MHz帯のLTE(Band 17およびBand 28)に対応した。主にアメリカや台湾でのLTEローミングでの利用を想定しているが、ドコモは2015年にこの帯域の割り当てを受け、Band 28のLTEサービスを開始する予定なので、その暁にはF-02Gでも使えるようになる。
また、F-05Fで対応した「マルチコネクション」に加えて「高速ダウンロード」という新機能を追加した。前者は、LTE/3Gと無線LAN(Wi-Fi)を同時に待ち受けることによって、途切れず通信することを重視した機能なのに対し、後者はその名の通り、高速でデータのダウンロードを行う機能だ。Google Playストアやダウンロードマネージャーを利用するアプリ(Google Chromeなど)で1Mバイト以上のファイルをダウンロードするときなどに使える。
高速ダウンロードは「マルチセッション化」とマルチコネクションによって実現している。LTE/3GかWi-Fiを単独でマルチセッション化する「シングル高速化」と、LTE/3GとWi-Fiを両方使ってマルチセッション化する「マルチ高速化」から選択できる。
マルチ高速化は、LTE/3G側のセッション数を抑えてパケット通信量を抑える「Wi-Fi優先」モードと、LTE/3G側もできる限りセッション数を多くする「フルスピード」モードに細分されている。展示会場では、高速ダウンロードオフの状態のWi-Fi接続済みの端末と、フルスピードモードのマルチ高速化が有効な端末とのダウンロード速度の比較を行っていた。環境次第ではあるが、効果は結構あるようだ。
赤外線通信ポートは、本体の背面に戻った。Whiteのみポート部の色が本体色と揃えられている。最近、赤外線ポートを搭載するAndroidスマートフォンは減少傾向にあるが、フィーチャーフォンとデータをやりとりする際はBluetoothよりも簡便なので搭載はありがたい。
結構、見た目の厳つさと、ターゲットを男性寄りとしてところから、荒ぶるイメージを持つかもしれないが、実際に触ってみると、NXらしい、かゆいところに手が届く便利機能は健在で、“見た目はいかついけど、中身はとっても優しいお兄さん”的な印象を受ける。これらの機能は、概ねF-05Fのものを受け継いでいるが、改善・追加も行われている。
改善面では、ARROWSオリジナル要素としてジャストシステムと共同開発した「Super ATOK ULTIAS」がバージョンアップを行い、辞書未登録の単語を簡単に登録する機能が追加された。難解な名前や内輪用語などは単漢字変換をすることが多い。それをULTIASが検知すると、キー上部に単語登録ボタンを出し、登録を促すようになった。
追加面では「パーソナルアシスト」と「手袋タッチ」が挙げられる。
パーソナルアシストは、その名の通り、ユーザーの行動を分析して、次の行動を“先回り”して支援してくれる機能だ。例えば、特定の時間・曜日・場所でよく使うアプリがあれば、行動パターンに合わせて画面上にショートカットを候補として自動表示してくれる。また、普段とは行動パターンが違うと、旅行・出張中と判断し、夜になると「スッキリ目覚まし」を自動起動してアラーム設定を促すこともできる。機能を有効にすると、しばらくは学習期間となり、ある程度学習が進むとアシストを開始する。
なお、ホームアプリが「docomo シンプル UI」に設定されているとこの機能は自動的に無効となる。また、行動分析をより正確に行うには、位置情報・GPSを有効にしておく必要がある。通常、これらを有効にしておくとバッテリーの消費に影響を及ぼすが、富士通お馴染みの「ヒューマンセントリックエンジン」を使うことで最小限の影響で抑えられるように工夫している。
手袋タッチは、既に一部メーカーで採用されている機能で、手袋をしていてもタッチパネルが反応するように感度を調整する機能だ。通知パネル中のスイッチとして配置すれば、すぐに設定ができる。
テレビ視聴機能は、フルセグ/ワンセグとモバキャス(NOTTV)に対応する。テレビアンテナは、同じ時期に出るドコモのスマートフォンでは唯一ホイップアンテナが内蔵されている。ケーブルをぶら下げることなく視聴することができるのは便利だ。番組の録画とデータ放送の受信にも対応している。
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