羊の皮をかぶったひつじ? 「オハナス」と「しゃべってコンシェル」の+dな関係:ドコモの狙いは?(3/3 ページ)
ドコモとタカラトミーが発表した「オハナス」は、クラウド処理で自然な会話が楽しめるコミュニケーショントイ。「しゃべってコンシェル」を応用した自然対話プラットフォームを採用している。
「オハナス」はおもちゃの概念を超えた製品 タカラトミー
ではタカラトミーは自然対話プラットフォームをなぜおもちゃに採用したのだろうか。発表会で同社副社長兼COOのH・G・メイ氏は、「生活の中に飛び込む、生活の中で役立つ。そんな、おもちゃの概念の超える商品の企画を目指した。それには年齢を問わないエイジレス、ネットの発展とともに製品も進化するエンドレス、そしてボーダレス。これを実現するには我々だけでは無理で、強力なパートナーが必要だった」と説明した。
ドコモの自然対話プラットフォームに相当する言語処理技術はほかにもある。オハナスの開発を担当したタカラトミーの木村貴幸氏は、母体となったしゃべってコンシェルが2900万件以上ダウンロードされていること、また11億以上の利用実績(アクセス)があることを評価したという。
企画は2年以上前に着想し、しゃべってコンシェルを開始していたドコモに相談したが、技術提供の体制が整っていないこともあり、計画は一時的に保留されていた。その後、2014年8月ごろにドコモ側でプラットフォーム提供のめどが立ち、開発が本格的にスタートしたという。自然対話プラットフォームの採用第1号となったタカラトミーだが、単にプラットフォームをカスタマイズして使うだけでなく、技術開発にも参画。仮に競業他社がこのプラットフォームを使って似たような製品を出してきても、「開発で先行しており、優位性は保てる」(木村氏)。音声でネット検索が行えるため、不適切な問いかけにはスルーしたり、ほかの質問に切り返すなど、おもちゃとしての配慮も盛り込んだ。
今のところオハナスは日本語だけをサポートするが、「日本語は複雑な言語で、自然な対話ができるまでのハードルが高い。これを超えてしまえば、英語対応などボーダレス化も難しくはない」(メイ副社長)と多言語化にも意気込みを見せていた。
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