MWC上海2015に見る最新中国スマホ事情 4G普及でVoLTEもスタート:山根康宏の中国携帯最新事情(3/3 ページ)
4G加入数が約2億2500万に達した中国のモバイル市場。各社がラインアップする4Gスマホも、低価格なボリュームゾーン向けだけでなく、独自ブランドの高級モデルも登場し始めた。
打倒iPhoneを目指すハイエンドスマートフォンも登場
1000元(約2万円)を切るスマートフォンが売れ筋になる一方で、ハイスペックなハイエンドスマートフォンにも各社は力を入れている。ライバルはもちろんiPhoneだ。中国のiPhoneは、最低価格が「iPhone 6」の16Gバイトモデルで5288元(約10万5000円)。デザイン、機能、ブランドとすべてを備えるiPhoneに直接対抗するのは難しいが、5000元以下でより高いスペックや美しいデザインの製品を投入すれば消費者の目を引き付けることも不可能ではないだろう。
例えばGionee(金立)は8コアプロセッサに2K(WQHD)ディスプレイを搭載したフラッグシップモデル「Elife E8」を展示。アルミ削り出しの高級感あふれるボディで、背面には2400万画素カメラと指紋認証センサーを備えた。メモリも3Gバイトと大容量だ。ディスプレイは6型と大型だが、厚さは9.6ミリに抑えている。5.5型の「iPhone 6 Plus」の6088元と比較すると価格は約3分の2だ。
また動画配信サービスの「LeTV」(楽視網)も独自ブランドのスマートフォンを展示した。最上位モデルの「Le Max」はGioneeに負けじと6.3型のWQHDディスプレイ、チップセットはSnapdargon 810、2100万画素カメラを備える。こちらもボディは金属製で、しかもほぼベゼルレスに近い狭額ディスプレイを採用している。価格は2999元(約5万9600円)とiPhone 6 Plusの半額以下だ。
なおLeTVはスマートフォン市場に新規参入するに際し、新しいビジネスモデルを取り入れた。まずLe MaxはワンタッチでLeTV動画の番組メニューを表示できる。さらに同社の有料動画配信サービスに加入すると、1年ごとに本体価格も割引となる。コンテンツと端末のセット販売ともいえるこの手法は、4G時代を迎えた中国で新たな動きを作り出すかもしれない。
この他には新興メーカーChongziの「L1」が注目を集めていた。4月の発表から3カ月たってようやく製品が発売になったスマホだ。金属ボディの上下部分をカーブさせた、独特の美しいデザインが特徴で、価格は2299元(約4万5600円)。同スペックのXiaomiの1499元などと比べると割高だが、斬新さなどが受けて中国では話題の製品となっている。
中国メーカーの低価格スマートフォンはSamsungなど海外メーカーのエントリーモデルやミッドレンジ製品を駆逐する勢いで販売数を伸ばしている。だが今後はハイエンド、ハイスペックそしてハイクオリティーな製品がiPhoneの地位を脅かす存在になっていくかもしれない。
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