格安SIM購入層が20代男性と40代女性に拡大 普及のカギは「安倍首相による後押し」?:MMD研究所が調査
直近の調査では音声付きプランを選ぶユーザーが6割を超え、2台持ちから格安SIM/スマホに1本化する傾向が強まっている。
MMD研究所は10月19日、格安SIM/格安スマートフォンの購入層が、従来の30~40代男性だけでなく20代男性や40代女性の利用が伸びているという調査結果を明らかにした。
同社主催のイベント「MVNO3社に聞く、格安SIMの現状と未来」で吉本浩司所長が公表したもの。格安SIMや格安スマホの購入者はこれまでITリテラシーが高い30~40代の男性が中心だったが、10月初旬に行った携帯端末購入に関する調査では、20代男性と40代女性の伸びが顕著で、時期と母数が異なる別の調査でも20代男性と40代女性の出現率がほかの世代よりも高くなっているのを確認したという。正式な調査結果は20日に発表する。
総務省によると携帯電話・PHSの総契約数は3月末時点で1億7732万回線。このうち大手キャリア以外が提供するMVNOサービスは、WiMAXなどのBWAサービスを含めても952万回線と全体の5.3%で、前年の739万回線(4.7%)から213万回線増えた。
MVNOの中でもいわゆる格安SIMと呼ばれるSIMパッケージ型の製品は、MM総研の調査では173万回線から326万回線と153万回線増えており、総契約数に占める割合も1.1%から1.8%へと伸びている。
MMD研究所の調査では、「MVNOをメイン端末として利用している」層は全体の3.9%と前年同期比で約2倍となり、Y!mobileの2.9%を上回った。音声通話付きプランを選択するユーザーも6割を超えており、吉本所長は「2014年からMVNO各社が音声通話付きプランを相次いで提供し、番号ポータビリティ(MNP)にも対応した。格安SIMは『2台目のデータ通信用』という傾向があったが、2台持ちから格安SIMのみに1本化している可能性がある」と分析した。
格安SIMのブランド別シェアでは、「OCN モバイル ONE」(NTTコミュニケーションズ)、「楽天モバイル」(フュージョンコミュニケーションズ)、「IIJ mio」(インターネットイニシアティブ)がトップ3。なお、4位の「BIGLOBE LTE・3G」(ビッグローブ)が「イオンモバイル」ブランドでも販売していることから、事業者別のシェアでは上位からNTTコム/IIJ/ビッグローブの順になる。
このイベントにはNTTコム、ビッグローブ、ケイ・オプティコムの担当者らが出席。くしくも同じタイミングで開催された総務省の携帯電話料金引き下げ策を検討する有識者会議について、「格安スマホの利用が促進されるよう、業界の外から後押しして欲しい」「大手キャリアが値下げすると安いだけの格安SIMは存在価値がなくなる。生き残れるよう特色をしっかり出していきたい」「料金値下げを推進する側として、安倍首相自身が格安スマホをアピールすることがあっても良いのではないか」といった意見が出された。イベントの詳細は追って掲載する。
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