阿蘇市と南阿蘇村の通信障害は長期化の様相 携帯各社の復旧・支援状況
発生から1週間が経過した熊本地震。大規模な土砂崩れが起きて道路が寸断した南阿蘇村など、一部エリアで携帯電話各社の通信障害がいまだ続いている。
熊本地震の発生から1週間が経過したが、大規模な土砂崩れが起きて道路が寸断した南阿蘇村など、一部エリアで携帯電話各社の通信障害がいまだ続いている。
一方、各社による被災地と被災者向けの支援も進みつつある。4月22日午後時点の状況をまとめた。
- 熊本県で震度7の地震、携帯3社が災害用伝言板を提供
- SSIDは「00000JAPAN」――携帯電話3社、熊本県などの公衆Wi-Fiスポットを無料開放
- 携帯各社、熊本地震の被災地支援を開始 支払期限の延期や修理代金の軽減など
NTTドコモ
熊本県南阿蘇村と阿蘇市の一部エリアで、音声通話とデータ通信がつながりにくい状態が続いている。総務省によると、同エリアで7局が停波中だ。
南阿蘇村では、周辺にある基地局のカバー範囲を広げる中ゾーン基地局の運用でエリア化を図っているが、通行規制や入山規制、避難勧告による現地作業が困難で、復旧には時間を要する見込みだという。阿蘇市では移動基地局車によるサービス提供を実施している。
影響範囲は復旧エリアマップで確認できる。また無料充電サービスや移動基地局車の運用場所、docomo Wi-Fiサービスの提供場所も確認できる。
被災地の避難所などで275台の充電器を設置し、無料の充電サービスを実施している。災害時用の無料Wi-Fiスポット「00000JAPAN」を含む無料の無線LANサービスは404箇所となった。さらに、また行政機関等へ衛星携帯電話161台、携帯電話992台、タブレット端末123台を貸し出している。
ドコモによる熊本地震の支援活動・関連情報は、下記のサイトにまとまっている。
- NTTドコモ 熊本地震の支援活動・関連情報(https://www.nttdocomo.co.jp/disaster/index.html)
また被災したユーザーに対し、通信速度制限を4月末まで解除している。
au
南阿蘇村の河陽・中松・長野地区周辺で、音声通話およびデータ通信がつながりにくくなっている。総務省によると、KDDI(au)の基地局は熊本市、阿蘇市、南阿蘇村で8局が停波中だ。
KDDIの影響範囲も復旧エリアマップで確認できる。
南阿蘇村については交通規制や避難勧告などもあり、全面復旧には時間を要する見込みで、捜索や被災者支援に必要なエリアや道路等の生活導線を優先的にエリアを復旧していくという。UQコミュニケーションズが提供しているWiMAXサービスについては、22日午後に全面復旧した。
現地には、車載基地局8局、可搬基地局5局、移動電源車12台、ポータブル発電機45台を展開している。その他、公衆無線LANを避難所など31箇所に設置。充電サービスは66箇所で行っている。加えて、関係機関に衛星通信端末93台、携帯電話やタブレット691台を貸し出している。被災地への支援内容は下記のサイトにまとまっている。
- KDDI 平成28年熊本地震における被害への支援について(http://disaster.kddi.com/disaster/27)
KDDIは被災したユーザーに10GBのデータ通信容量を追加し、データチャージ料金も免除するとしていたが、さらに4月末まで、通信速度制限を解除すると発表した。付与された10GBを超えた場合でも、通信速度制限なく利用できる。
ソフトバンク、Y!mobile
阿蘇市、南阿蘇村の一部エリアで音声とデータ通信がつながりにくくなっている。総務省によると携帯電話基地局27局、PHS基地局15局が停波している。ソフトバンクも影響範囲が確認できる復旧エリアマップを提供中だ(3Gのみ)。
現地では、衛星通信を使った中継局2局、移動電源車9台、発電機6台が活動している。移動基地局車と可搬型基地局は豪雨の影響で稼働を休止しているという(21日18時点)。
避難所での充電サービスは120箇所、無料Wi-Fiスポットは109カ所で実施。関係機関には携帯電話832台、衛星携帯電話337台、iPad115台、データ通信端末10台を貸し出した。陸上自衛隊に貸し出したiPad100台も含まれている。また社内公募型の災害時復旧要員65人も4月15日から現地で活動している。被災地への支援内容は下記のサイトにまとまっている。
- ソフトバンク 平成28年熊本地震(http://www.softbank.jp/disaster/201604_earthquake/)
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