iPhone 7 Plusの「ポートレートモード」を楽しく活用する方法:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/5 ページ)
iOS 10.1がやってきて、iPhone 7 Plusで「ポートレートモード」が追加された。これを使って撮影すると「背景がボケる」のである。どこまで使えるのかをレビューした。
デジタル一眼と比較してみよう
「ポートレートモード」というけれども、人物写真じゃなきゃいけないわけじゃない。被写体は何でもいい。
ここは比較しやすい静物を使って撮り比べ。iPhone側は35mmフィルム換算で56mm相当、絞り値はF2.8なので、デジタル一眼レフ(マイクロフォーサーズ)で同じく56mm相当F2.8のセッティングでほぼ同じ位置で撮り比べて見た。
こんな感じである。iPhone 7 Plusの被写界深度エフェクトはかなり自然でいい感じなのが分かるかと思う。
近すぎず暗すぎず遠すぎずが基本
被写界深度エフェクトは「望遠側カメラ」をメインに使う機能である。だから基本的に望遠側カメラの仕様に準拠する。望遠側カメラは撮影最短距離がけっこう長く、手ブレ補正が効かないこともあって暗所に弱い。室内など暗い場所では「もっと明るさが必要です」と言われる。
アップで撮ろうと近くへ寄りすぎると「離れてください」と言われる。
ざっと測ったところ、30~35cmくらい離さないとダメなもよう。ついでにいえば、離れすぎてもダメ。被写体を「240cm以内に配置してください」といわれる。
遠すぎると正確な距離を測れないってことかと思う。
愚考するに、被写界深度エフェクトは、広角側カメラ(のデジタル2xズームしたもの)と望遠側カメラの両方で被写体を捉え、両カメラ間の距離(約1cm)によって生じる視差を利用して被写体との距離を測っており、距離が離れると視差によるズレを検出できなくなるという感じか。
でもって、最適な距離になると「被写界深度エフェクト」の文字が黄色地に黒抜きとなる。そうなったら撮影だ。見事、秋を彩るホトトギスの花を撮ることができました。背景がボケたおかげで花がきれいに際立っている。
でもよく見ると部分的にちょっとおかしい。中央の花びらの左側。距離を測り間違えたかのようにボケてる。
ただまあ今は「β版」なので、細かいところに言及してはいけない。正式版になったらこの辺のチューニングもしっかりされているかもしれない。
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