360度カメラを内蔵したスマートフォンが中国からついに登場!:山根康宏の海外モバイル探訪記
深センで「China Hi-Tech Fair 2016」が開催。ここで、本体に360度カメラを内蔵した世界初のスマートフォンを発見しました。スペックは悪くなさそうですが……。
中国では毎月のようにIT製品の展示会が行われています。11月にはモノ作りの拠点としても知られる深センで「China Hi-Tech Fair 2016」が開催されました。中国のスタートアップ企業の出展も目立ちましたが、その中にはスマートフォンの新製品もちらほら。中でも世界初の機能を持ったスマートフォンが展示されていたのです。
Darlingの「保千里VRスマートフォン」は、本体に360度カメラを内蔵した世界初のスマートフォンです。とはいえ、実は展示会場にはパンフレットだけが置いてあり、実機を見ることはできませんでした。ブースも共同出店で、関係者は不在。せめてモックアップでも見せてほしかったのですが、それもかなわず。もしかすると展示会では実機に不具合が出てしまい、早々に展示を引っ込めてしまったのかもしれません。
カタログを見ると、ディスプレイは5.5型フルHD、プロセッサはMediaTekのHelio X20、メモリ4GB+ストレージ64GBまたはメモリ3GB+ストレージ32GB、外部端子はUSB Type-C。カメラはアウトに1300万画素、インに800万画素を搭載。そして本体の前後に出っ張るように取り付けられた360度カメラは2600万画素で、4K動画が撮影可能とのこと。
なかなか面白そうな製品でありながらも、中国のマイナーメーカーが手掛けただけに、カタログだけで終わってしまいそうですよね。メーカーのWebサイトにも製品情報はなかなか出てきませんでしたが、中国大手のECサイト「JingDong(京東)」で11月末から製品の予約を受け付け開始。価格は3980元(約6万7000円)から。360度カメラを別に買うことを考えると、妥当な値段かもしれません。なんといっても「360度の撮影をしたい」と思った時に、すぐに撮れる利便性があります。
メーカーによると、11月末の予約開始とともに2時間で1000台が完売。その後も5万台の予約を受け付け限定販売が始まったとのこと。まだネット上に詳細なレビュー情報がなく、実際に360度撮影を行いながら本体はサクサクと動くのか、バッテリーの持ちや発熱は大丈夫なのか、飛び出したレンズは傷がつかないのか、などなど気になることばかり。
日本でもVRコンテンツの配信が少しずつ始まるなど、2017年はようやくVR元年と呼べる年になりそうです。ユーザーが手軽に360度の静止画や動画を撮影できるようなればVRの普及も進むでしょうが、現状はカメラで撮影してそれをスマートフォンやPCに取り込む、という手間があります。VR普及のためにも、Darlingのこのスマートフォンはぜひ中国外でも販売してほしいものです。
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