色を見ればメーカーが分かる? 中国スマホメーカーのコーポレートカラー:山根康宏の海外モバイル探訪記
中国の家電量販店では、各社が自社のコーポレートカラーを定めて、その色を大きくアピール。「色を見ればメーカー名が分かる」――。この戦略は大手メーカーだけではなく、2番手、3番手の中位下位のメーカーやブランドにも広がっています。
中国の家電量販店へ行くと、入り口付近の目立つ位置にはスマートフォンがずらりと並べられています。「メーカー端末販売」「SIMロックフリー」が基本の中国では、日本の家電量販店のように通信事業者ごとにブースが分かれているわけではなく、またSIMロックフリーコーナーのように各社の製品が混在して並べられていることもありません。スマートフォンは、メーカー各社が自慢の製品を自社ブースで展示しているのです。
各ブースにはメーカーのロゴも大きく掲げられていますが、よく見ると各社が自社のコーポレートカラーを定めて、その色を大きくアピール。例えば今最も勢いのあるメーカーのOPPOとVIVOは、それぞれグリーンとブルー。この2社のロゴは大都市の繁華街のみならず、地方都市でもよく見かけます。緑色の看板を見かけるとOPPOのお店に見えてしまうほど、メジャーです。
「色を見ればメーカー名が分かる」――。この戦略は大手メーカーだけではなく、2番手、3番手のメーカーやブランドにも広がっています。例えばCoolpad(クールパッド)系列のIVVIは、黄色いロゴを採用。他社にはない色合いだけに目立ちます。
日本ではまだ知られていないブランドのIVVIは黄色
実際にIVVIのWebサイトを開いてみると、黄色がアクセントとして使われていることが分かります。ちなみにIVVIは主に女性をターゲットにしたスマートフォンを手掛けています。
また日本でも着々と知名度を上げているHuawei。サブブランドであるHonorは、やや薄眼のブルー。Huaweiが真っ赤なロゴであるのに対し、どことなくあのティファニーをイメージさせるようなやや上品な色合いです。Honorはオンライン販売向けの製品としてスタートしましたが、今では実店舗でも販売。「P9」などHuaweiの主力製品の隙間を埋める、多彩なラインアップをそろえています。
色で差別化を図ろうとしているものの、人気の色はどうしても各社でバッティングしてしまいます。その色はブルー。古くはNokiaがブルーでしたし、今はSamsungもブルー。そして前述したようにVIVOやHonorもブルー系の色合いを使っています。他にもZTEやMeizu(メイズ)もブルー。同じブルーでも色合いは若干違うのでしょうが、このように同じ色のメーカーが2社並ぶとどちらも同じに見えてしまいます。
一方、意外な色を使っているのがMotorolaです。今はLenovoの傘下となったMotorolaですが、過去には赤や青の「M」マークのロゴを使っていました。ところが中国ではピンクの色を採用。新生モトローラのイメージを広げようと、大胆な色を採用したのかも。
とはいえ、ピンクといえばやはり女性をイメージしますよね。フロントに2100万画素カメラを搭載した最強のセルフィースマートフォンを販売するMeitu(メイトゥ)はずばりピンクのロゴ。同社の製品は女性だけをターゲットにしていると言っても過言はなく、ピンクの色合いはよく似合います。
さて、最近やや勢いに陰りの出てきてしまった新興メーカーのXiaomi(シャオミ)。Xiaomiといえばオレンジですが、そのオレンジは老舗メーカーのGionee(ジオニー)も採用。ロゴに使える色はある程度決まってしまうのでしょうが、こうして各社を比較してみると面白いものですね。これから生まれてくる新興メーカーがどんな色を採用するのかも気になるところです。
関連キーワード
中国 | ロゴマーク | 量販店 | Motorola(モトローラ) | Xiaomi | 華為技術(Huawei) | Oppo(広東欧珀移動通信) | Vivo | レノボ | Meizu | Nokia(ノキア) | Samsung | ティファニー | 山根康宏 | ZTE(中興通訊)
関連記事
360度カメラを内蔵したスマートフォンが中国からついに登場!
深センで「China Hi-Tech Fair 2016」が開催。ここで、本体に360度カメラを内蔵した世界初のスマートフォンを発見しました。スペックは悪くなさそうですが……。タイにもあった「ガラホ」、約5000円で買える現地の4Gスマホ
タイではキャリアがスマホにSIMロックをかけ、低価格で販売するという先進国のようなモデルが増えています。しかもタイらしい、ちょっと変わったスマートフォンも販売中。そんなタイの「キャリア販売スマホ」の実情を見てきました。中国深セン電脳街が様変わり、iPhoneに替わりOPPOの店が次々登場
最近スマートフォン市場を賑わせているのが、新興勢力の台頭です。中でも注目したいのがOPPO。「急速充電」「高画質フロントカメラ」そして「手ごろな価格」で人気が急上昇しています。製造中止も何のその――BlackBerryマニアはドバイへ行こう!
最近になって、BlackBerryがスマートフォンの自社製造を停止することが決まりました。それでもドバイでは、まだBlackBerry人気が高いことを認識させられます。ドバイモールに行ってみると、巨大なBlackBerryストアが店を構えているのです。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.