IFAで見た中国スマホ 18:9の縦長ディスプレイが新しいトレンドに Huaweiも?:山根康宏の中国携帯最新事情(2/2 ページ)
ディスプレイの縦横比が従来の「16:9」よりも縦長な「18:9」のディスプレイを採用した製品が中国メーカーで増えている。IFA 2017の新製品を見たところ、その傾向が進んでいることが顕著に分かった。新型iPhoneもこのトレンドに拍車を掛ける?
大画面化も進む
各社が相次いで18:9のディスプレイを採用するのは、スマートフォンの大画面需要と片手で持てるサイズを両立するための唯一の解決策だからだ。写真や映像などマルチメディアコンテンツの視聴だけはなく、SNSのタイムラインやチャット画面は縦に長い画面の方がより多くの情報を一度に表示できる。18:9の画面サイズなら、大型化しても本体の横幅は16:9のモデルよりも細くできる。
またAndroid 7.0から標準となった、2つの画面を分割して表示できるマルチウィンドウを使う時も、ワイドディスプレイならそれぞれの画面サイズが1:1の大きさとなり、表示できる内容も16:9のディスプレイよりも多くなる。動画を再生しながらチャットする、なんて使い方の時も、ワイドディスプレイならソフトキーボードで画面が隠されるエリアが少なくなる。今風のスマートフォンの活用方法に適した画面の形状、それが縦長のワイドディスプレイなのである。
そしてなんといっても、次のiPhoneもワイドディスプレイを採用するというウワサであることから、業界のトレンドとして縦長画面が一気に広がると各メーカーは考えているのだ。IFA 2017の開催時点(2017年9月1日~6日)では、まだ新型iPhoneの正確な情報は公開されていない。しかしディスプレイはSamsungの18.5:9を採用するようである。iPhoneのディスプレイサイズがワイド化すれば、世の中の動きは一気にそちらへと進んでいくだろう。
Galaxy S8/S8+が登場した時は、ワイドディスプレイが好機の目で見られることもあった。しかしStrategy Analyticsによると、2017年第2四半期(4~6月)における全世界のスマートフォン機種別販売数で、Galaxy S8は3位、Galaxy S8+は4位となった。1~2位はiPhoneで、5位が超低価格なXiaomiの「Redmi 4A」だったことを考えると、Galaxy S8/S8+は高価格で新しい形状のモデルにもかかわらず売れまくっている。ワイドディスプレイはすでに市場に普及しつつあるのだ。
HuaweiのコンシューマービジネスグループのCEO、リチャード・ユー氏はIFA 2017の基調講演で10月発表予定の新モデル「Mate 10」の概要を発表した。ディスプレイサイズは公表されなかったものの、シルエットからワイドディスプレイを採用していることが明白だ。また米国のバッテリーメーカー、Energizerの最新スマートフォン「Power Max P600S」は中国のOEMメーカー製造品で、これも18:9のディスプレイを搭載する。
中国最大手から2番手、中小、そしてOEMメーカーと、ワイドディスプレイは中国のあらゆるメーカーが採用を広げている。いずれOppoやXiaomiが同調する動きを見せれば、中国のみならず世界中のスマートフォンのワイド化が一気に進むかもしれない。
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