「AQUOS R6」の実機に触れる 1型センサーのカメラは何がすごいのか?(1/2 ページ)
AQUOS R6のカメラのキモは、何といってもイメージセンサーがデカくなったこと。そして1型センサーに合わせたセンサーをスマホのボディーに収めた。レーザーAFやナイトモードなど、スマホならではの機能も搭載している。
発表された途端、会場でどよめきが……ってオンライン発表なのでそんなのはないのだけど、そのくらい盛りあがったといっても過言じゃなかったシャープの「AQUOS R6」。
ライカだー、とか、センサーが1型になったーとか、カメラが1つしかないーとか話題になったのだけど、それのどこがすごいのか。
発表会の後、体験会で実機に触れる機会もあったので、それも合わせてちょいと突っ込んでみたい。
1型センサーの何がすごいのか
AQUOS R6のカメラのキモは、何といってもイメージセンサーがデカくなったこと。
デジタルカメラのキモはレンズを通って入ってきた「光」を受けて信号に変換する「イメージセンサー」なのだけど、それが大きければ大きい方が光を多く受け取れるので画質面で有利になるのは直感的に分かるかと思う。実際にはいろんな要素が絡んでくるのだけど、大ざっぱにいって「デカいのは正義」と思っていい。
センサーがデカい方が、高感度に強くダイナミックレンジも広くなる。だから大きなセンサーを使うデジタル一眼は高画質なのだ。
で、AQUOS R6はスマートフォンでは最大の1型センサーを搭載したのだ。
AQUOS R5Gは1/2.55型だったのに対し、AQUOS R6は面積で約5倍の1型センサーを搭載。ハイエンドコンパクトデジカメであるソニーのRX100シリーズやキヤノンのPowershot Gシリーズ、パナソニックのTXシリーズなどで採用されているものと同じだ。マイクロフォーサーズよりは小さいけど、スマートフォンや普及型コンパクトカメラより大きい。
最近は1型に近いサイズのセンサーを搭載するスマートフォンもでてきているが、それでも1型のセンサーを搭載したスマートフォンは「現行製品」にはない。
センサーサイズが大きくなると、当然それに合わせた径のレンズが必要になり、レンズも分厚くなる。分厚くなるとスマートフォンの厚みに収まらない。そう簡単にはいかないのだ。
でも実物を見ると、厚くないのである。このくらいなら全く気にならないというか、普通のスマホの厚みだ。
それを実現するレンズがこれ。
7枚の複雑な形状のレンズの組み合わせだ。これで周辺部の画質も確保。
ちなみに、AQUOS R6のボディーの上に、イメージセンサーとレンズを並べて置いてみた写真がこちら。よくこのボディーにこのセンサーとレンズが入ったもんだと感心する。
実は2015年に1型センサーを搭載したスマートフォンがあった。パナソニックの「DMC-CM1」だ。「DMC」というデジタルカメラの型番がつくことから分かるように、スマートフォンの機能を持つデジタルカメラという位置付けだったが、これはレンズが沈胴式。撮影時にはレンズがちょっと飛び出てくる。
AQUOS R6にはそういう機構もなく、スマートフォンの薄さに収めたのである。すごい。
そのレンズはライカのSUMMICRON(ズミクロン)。焦点距離は35mm判換算で19mm相当とかなり広角でF1.9だ。
パナソニックのDMC-CM1は28mm相当でF2.8。AQUOS R6は薄くなった上にレンズがより明るくなっているのもすごい。
新たにナイトモードも搭載
1型センサー搭載という力業で基本性能を上げたAQUOS R6だったが、スマートフォンなので当然スマートフォンならではの技も持っている。
1つはiToFを使ったレーザーAF。暗所でもこれを使ってピントがすっと合う。
さらに、コンピュテーショナルフォトグラフィーを駆使したスーパーナイトモード(今までのAQUOSはこれが弱かった)やAIオートも利用でき、マルチフレーム処理も行っている。
残念ながら光学式手ブレ補正は持たないけれども、そこはコンピュテーショナルフォトグラフィーの出番で、超高速連写した中からブレてないカットを選ぶなど、ブレないような工夫はなされているそうだ。
関連記事
スマホカメラとデジタルカメラの融合 シャープが「AQUOS R6」で目指したもの
シャープの「AQUOS R6」は、ライカとカメラを共同で開発し、1型という大きなセンサーを搭載しているのが大きな特徴だ。スマホカメラの在り方そのものを見直し、デジタルカメラを融合させたというAQUOS R6。シャープはカメラメーカーではないため、独自のノウハウを持つライカとの協業に至った。カメラを刷新した「AQUOS R6」 “とがったフラグシップ”で勝負を仕掛けるシャープ
シャープが5月17日に発表したスマートフォン「AQUOS R6」は、カメラに高級コンデジと同じ1型の大型センサーを採用した。ライカをパートナーに迎え、センサー、レンズ、画質調整まで共同開発している。高価格帯のスマートフォンの売れ行きが低迷する中、シャープはよりとがったフラグシップモデルで勝負を仕掛ける。シャープが「AQUOS R6」発表 ライカ印の1型センサーカメラやPro IGZO OLEDを搭載
シャープがスマートフォンAQUOSの新機種「AQUOS R6」を発表した。ライカとカメラ共同開発し、1型の大型センサーを採用している。ディスプレイには、IGZOの特徴を持った有機ELを採用。1Hz~240Hzの駆動速度を自動で切り替えられる。ドコモとソフトバンク、「AQUOS R6」を6月中旬以降に発売
NTTドコモとソフトバンクが、2021年6月中旬以降にシャープの5Gスマートフォン「AQUOS R6」を発売する。AQUOS R6は、ライカ(Leica)と共同開発した1型センサーのカメラを搭載。ディスプレイは、有機ELにIGZOを取り入れた6.6型のPro IGZO OLEDを搭載している。スマホで8K動画撮影って必要? 「AQUOS R5G」を使って分かったこと
「AQUOS R5G」は、スマートフォンAQUOS初のトリプルカメラを搭載し、8K動画の撮影にも対応したのだ。トリプルカメラのうち、超広角に4800万画素のカメラを搭載した。8K動画の実力は? そもそもスマホでそこまでの撮影が必要なのか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.