レビュー

夏のハイエンドスマホ4機種で撮り比べ(前編):超広角から望遠まで画質チェック荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/4 ページ)

2021年の夏は、シャープとライカが協業して生まれた「Leitz Phone 1」や、ソニーの「Xperia 1 III」などのハイエンド端末が多く発売された。いずれも特徴的なカメラ機能を搭載しており、撮影時の画像の色味もさまざま。実際に同じ場所、同じ時間に撮影して比べてみよう。

望遠性能は機種によって大きく違うのだった編

 続いて望遠カメラ編。機種によって大きく差が出るところだ。どのカメラアプリもボタン1つで望遠カメラに切り替えられるようになっているが、そのパターンの数が端末によって違う。

 AQUOS R6のカメラは超広角、広角、望遠の3パターンで、望遠は48mm相当。シングルカメラゆえ、どうしてもデジタルズームになるし、むちゃな望遠は無理。Xperia 1 IIIとGalaxy S21 Ultra 5Gは4パターンあり、望遠側に伸びがある。Find X3は光学的には2xの望遠だが、その上にハイブリッドズームとして5xが用意されており、全部で4パターンだ。

 仮に「中望遠」(2x~3x)と「望遠」(それ以上)ということにして撮り比べ。まずは「中望遠」から。基本的に24mmに対して2x相当なので48~50mmくらいになるわけだが、Xperia 1 IIIとGalaxy S21 Ultra 5Gは3x相当の70~72mmになるのでちょいと望遠感が強い。個人的には2xくらいのところに1つあると扱いやすいと思うのだけど。

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AQUOS R6。シングルカメラのデジタルズームで48mm。なので画作りの方向は広角や超広角と同じでナチュラル系

Xperia 1 III。70mm(2.9x)とちょっと望遠気味でF2.3。朱色がきれいに出ていてクオリティーも申し分なし。門にかかっている網もギリギリ描写できている

Galaxy S21 Ultra 5G。72mm(3x)。等倍で見ると門にかかっている細かい網も描写できているし、色も鮮やかでよい写りだ。

Find X3 Pro。2xの48mmでF2.4。赤が鮮やか

 4パターンある端末に関してはさらにもう1段階行く。Xperia 1 IIIは105mm(4.4x)。Galaxy S21 Proに至っては10xの240mmである。


Xperia 1 III。105mm(4.4x)でF2.8。70mmよりちょっと望遠。デジタル一眼で標準ズームともいえる24-105mmの望遠側を意識した画角かも

Galaxy S21 Ultra 5G。なんと10倍の240mm相当でF4.9。さすがにちょっと頑張りすぎたのか、他の画角に比べるとちょっと甘めではあるが、スマホで240mmってすごい

Find X3 Pro。5倍(120mm相当)のハイブリッドズーム。光学ズームではない分ディテールが甘くなっているけど、ちょっと望遠に伸ばしたいときに使いやすい画角だ。

最大ズーム倍率対決!

 せっかくなので各モデルの「最大ズーム倍率」でもチェック。どれもデジタルズームになるので画質は落ちるけれども、どの端末が一番むちゃをしているか見るって意味でちょっと楽しい。


AQUOS R6。最大の6倍で。ディテールの描写はなかなか頑張っているけど、もうちょっと明るく撮れてほしかった

Xperia 1 III。最大で12.5倍。思ったよりディテールもつぶれず画質も荒れず、実用できるかも。デジタルズームにしてはきれいだ

Galaxy S21 Ultra 5G。何というか、100倍ズームでよくぞここまでっていうムチャっぷりがたまらん。見ての通りディテールはもやっとしているし、ここまで来ると狙ったところを撮るのが難しい。

Find X3 Pro。30倍ズーム。ちょっと無理をしたような印象がある描写だが、まあ無理にここまで上げる必要はないだろう

 Find X3 Proは30x、Galaxy S21 Ultra 5Gに至っては100xである。むちゃするなあ。この2機種は最大までひっぱると、サムネイルが表示されてどこを撮ろうとしているか教えてくれるので便利。


Galaxy S21 Ultra 5Gの100x撮影時の画面。左上にサムネイルが出て、どこを狙っているのかを教えてくれるのがありがたい

 ここまで屋外で撮影してきたが、屋内ではどうか。

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