激安スマホも5G対応、中国メーカーへの対抗を強化するサムスン電子:山根康宏の中国携帯最新事情(2/2 ページ)
世界のスマホ出荷台数は1位がサムスン電子、2位がAppleだ。サムスン電子は中国メーカーが下位から追い上げる中、「Galaxy A」などのミドルレンジスマホを各国で展開している。
増えるエントリーモデルの5G対応
ミドルレンジやエントリーモデルの5G対応は欧州や新興国で中国メーカーに対抗するだけではなく、米国ではLG撤退後にシェアをじわりと伸ばしているモトローラへの対抗にもなる。また自社製品の「オール5Gラインアップ」化は存在感を失った中国市場への再挑戦を可能にするだろう。
サムスン電子は現在、中国では折りたたみモデルのGalaxy Zシリーズ、中国電信向けの折りたたみ「W(心系天下)」シリーズ、そしてハイエンドカメラフォンのGalaxy Sシリーズを中心としたプレミアムモデル展開を行っている。さらにはミドルハイレンジモデルとして2020年に「Galaxy A51 5G」「Galaxy A71 5G」、2021年に「Galaxy A52 5G」、2022年は「Galaxy A53 5G」を投入。製品ラインアップの平均価格も他の中国メーカーと比べると高い。
Galaxy A13 5Gのようなエントリー5Gモデルは、他社が1万円台の5Gモデルを出す中国市場では競争力は弱い。だがHuawei、Xiaomi、OPPO、Honor、そしてvivoも既に折りたたみスマートフォンを出しており、サムスン電子の現在のプレミアム偏重の製品展開では差別化は図れない。現時点でもサムスン電子の中国向けスマートフォンは全モデルが5G対応だが、より低価格な5G機を加えることで、プレミアムモデル以外にも中国の消費者の目を再び向かせることができるかもしれない。
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