楽天モバイル、未使用のプラチナバンド700MHz帯の「早期割り当て希望」を表明
楽天モバイルは、4月19日に総務省が発表した「移動通信システムの周波数利用に関する調査」について、コメントを発表した。未使用の700MHz帯(3MHz)について、「早期割り当てを希望する」と表明。700MHz帯の3MHz幅×2は、総務省の情報通信審議会で、LTE-Advanced用に割り当てる検討が進められている。
楽天モバイルは、4月19日に総務省が発表した「移動通信システムの周波数利用に関する調査」について、コメントを発表した。
総務省は、モバイル通信サービス向けの周波数利用のニーズを把握すべく、2023年3月15日から31日まで調査を実施。調査対象となるのは、周波数再編アクションプランに記載されている2.6GHz帯、4.9GHz帯、26GHz帯、40GHz帯と、700MHz帯の715~718MHzと770~773MHz。
中でも楽天モバイルが注目しているのが700MHz帯だ。この700MHz帯の3MHz幅×2は、総務省の情報通信審議会で、LTE-Advanced用に割り当てる検討が進められている。
700MHz帯は、ドコモ、KDDI、ソフトバンクが10MHz幅×2ずつ保有しているが、隣接する特定ラジオマイク、地上デジタルテレビ放送、ITS(高度道路交通システム)との間に未使用の周波数帯があり、うち3MHz幅×2の割り当てを検討してはどうかと、同審議会でドコモが提案していた。ドコモの試算によると、3MHz幅では約1100万人を収容でき、通信速度(理論値)は下り30Mbps、上り11Mbpsを見込む。
楽天モバイルは、「つながりやすいモバイル通信サービスを実現する上で欠かせない周波数であるプラチナバンドを新規参入事業者に対しても早期に割当ていただきたく、総務省内の電波政策に関する各種議論に参加している」とした上で、「プラチナバンドの新たな選択肢になりうる700MHz帯の3MHzシステムに対する早期の割当てを希望させていただいた」とコメント。
なお、移動通信システムの周波数利用に関する調査では、700MHz帯の割り当てについて、ドコモ、KDDI、ソフトバンクもコメントを出している。
3社とも「有益な周波数」であるという認識は一致しているが、割り当ての希望は明言していない。コメントの一部を以下に抜粋する。
ドコモ 容量ひっ迫影響の精査や、他の用途としての活用可能性の詳細について検討を進めていく。
KDDI 割当てが実施される場合には、今後策定される開設指針や今後とりまとめられる技術的条件等を踏まえて、開設計画の申請について判断する必要がある。
ソフトバンク 現在、情報通信審議会において技術的条件や共用条件等について議論中であるため、これらの条件等を勘案しつつ検討。
現状、割り当てを希望しているのは楽天モバイルのみとなっている。総務省はプラチナバンドの700MHz帯について、2023年秋に割り当てる考えを示しており、楽天モバイルも同時期となる2023年9月までの割り当てを希望している。
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