「Xperia 1 VI」「Xperia 1 V」はどちらが見やすく、持ちやすい? 実機比較で分ったこと(2/2 ページ)
6月7日、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが発売した「Xperia 1 VI」。大きく注目を集めたのはソニー製スマートフォンのハイエンドモデル1シリーズとして初めてアスペクト比が変更になったこと。アプリの表示領域がどのように異なるのか、アスペクト比の変更が持ちやすさにどう影響するのかを実機で検証する。
持ちやすさは確かに違う でもUIはもう一工夫ほしい
アスペクト比によってアプリの見栄えが異なるのが分かったところで、次に持ちやすさにも影響するのかを確認したい。
片手持ちしやすいのはどちらか、その結論を先にいえば間違いなくXperia 1 Vだ。Xperia 1 Vの21:9比率に対応するコンテンツ、つまり拡大/縮小せずにフル画面で楽しめるコンテンツは少ないが、縦に持つと細長いXperia 1 Vが心地よい。
かといってXperia 1 VIがすごく持ちづらい、というわけではないが、Xperia 1 Vと比べてしまうと違いを感じる。
UI的にもXperia 1 Vの方が片手で操作しやすい。1シリーズでは特に2019年の初代モデルで、「サイドセンス」がアピールされていたのだが、ディスプレイのサイドをダブルタップすると、ユーザーが次に使いたいアプリなどを予測表示され、アプリ画面などへ進まずにアプリを起動できるというのが今でも便利だと感じる。
Xperia 1 VIでもXperia 1 Vと同じようなことはできるが、ディスプレイのサイドをダブルタップではなく外側から内側に向かってスワイプしなければならず、慣れた操作と乖離(かいり)していて難しかった。ただ、ダブルタップも時折反応しない場合があるため、慣れてしまえばタブルタップよりも内側へスワイプする方が楽だろう。
「片手モード」も手の小さい、もしくは親指が画面の端まで届きづらいと感じる人にとって便利な機能だ。こちらは設定画面や挙動を比較したところ、大きな進化はないようだ。
さすがだと感心したのは「戻る」「ホーム」のキーをタップしても、片手モードが解除されないこと。WebページやXで片手モードが継続されたので安心した。例えば、Webページの閲覧時に片手モードを起動できても、1つ前のページへ戻ると片手モードが終了してしまうと、継続利用が必要な場合に片手モードの起動が再度必要になるのだ。こうした手間をなくすUIなのは日本メーカーらしい。
キーボード入力についてはもう一工夫欲しい。QWERTY配列とテンキー配列のどちらも片方にキーボードを寄せることが可能な片手モードを有効にできるが、その場合はやはり横幅を抑えたXperia 1 Vの方がよりキーボードが親指の届く範囲に近く、操作しやすいと感じる。キーボードが表示されるスペースを微調整することはできるが、それでも都度やるのは面倒だと感じる。
横幅約71mmのXperia 1 Vから3mm増し、約74mmとなったXperia 1 VIだけに、もう少しキーボード周りの工夫が欲しいところ。とはいえ、物理的な幅の違いによる体感差は出てしまうので、UIの工夫と一口にいっても作り込みが難しいのだと感じた。
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