OPPOのスマホは全ラインアップにAI搭載へ クラウド活用で「価格の壁を打ち破る」、Googleとも緊密に連携(2/2 ページ)
OPPO(オウガ・ジャパン)は6月19日、スマートフォン「OPPO Reno13 A」「OPPO Reno14 5G」など新製品4モデルを発表した。務取締役 河野謙三氏と営業推進部 プロダクトマネージャー 中川裕也氏が登壇。OPPOがAI技術をどのように捉え、ユーザーに対してどのように訴求していくのかなどが語られた。
オンデバイス処理について、OPPOはどう考える?
一方、OPPOが今回の発表会で繰り返し示したのは、AIの処理方法がクラウドにとどまる点だ。
AIは昨今のスマートフォンのトレンドになりつつあり、メーカーによってはクラウドでの処理とオンデバイス処理の両方を活用する事例もある。クラウドでの処理はインターネットへの接続を伴うため、例えばスマートフォンが圏外や機内モードだと動作しない場合がある。一方、ほとんどの処理を端末内で完結するオンデバイス処理の場合、クラウドを経由しないことから圏外環境でも利用でき、反応速度はプロセッサに依存する面がある。
AIのオンデバイス処理について、OPPOはどのように考えているのだろうか。中川氏は、「オンデバイス処理では端末のスペックに依存してしまうため、ハイエンドモデルでしかAIを体験できないのがデメリットだ」と話す。続けて、「ミッドレンジやローエンドのモデルを使っているお客さまに提供するためには、オンデバイス処理の縛りを超えて提供していかなければならないため、クラウド処理を選択した」と説明した。
河野氏は、「日本においてはクラウド型を採用している」としつつも、「70以上の国や地域でスマートフォンを販売しているOPPOは、国・地域ごとによってハイブリッド型やオンデバイス型、あるいはクラウド型というように複数の選択肢を持っているメーカーだ」と補足し、グローバルと日本とではAIの処理方法と選択肢が異なることを明らかにした。
Googleとの連携で「アプリをまたいだAI体験」も可能に
河野氏は、Googleとの連携によるプライバシーとセキュリティの確保もアピールした。日本のユーザー向けには、プライバシーとセキュリティを最優先し、Googleとの緊密な連携により開発されたAI機能を提供するという。Googleとの連携により、複数のアプリをまたいだAI体験が可能になり、GeminiからOPPO純正アプリにアクセスできる。Gemini 1.5 ProおよびGemini 1.5 Flashとの連携により、0.2秒で205のテキスト処理が可能になり、思考と同じ速度で動くという。
OPPO Reno14 5Gとともに展示されていた完全ワイヤレスイヤフォンのOPPO Enco Buds3 Pro。イヤフォンの操作でGoogle Geminiを呼び出せる他、音楽の再生・停止・曲送り、着信応答ができる。ColorOS 12以降のOPPOデバイスカメラのシャッター操作も可能だという
OPPO Pad 3 Matte Display EditionでGoogle Geminiを利用する様子。スマートフォンのUIを引き延ばしたような印象だが、キーボードを装着すれば文字入力をしやすそうだ
さらに、河野氏は「ユーザーのプライバシーとデータセキュリティはこれまで以上に重要な課題となっている」と前置きし、OPPOが強固なセキュリティ「Google Cloudのコンフィデンシャルコンピューティングを活用したTCC(Trusted Computing Core)」をいち早く導入した数少ないスマートフォンメーカーの1つであることもアピールした。この点を踏まえ、河野氏はユーザーに向けて、大切なデータが完全に守られた環境で処理され、OPPOやクラウド事業者が個人のデータに触れることができない点を強調した。
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