JR東日本の二次元コード乗車券「えきねっとQチケ」を使ってみた　Suicaなし／無人駅でもOKだが残念な点も（1/2 ページ）

　東日本旅客鉄道（JR東日本）の二次元コード乗車券「えきねっとQチケ」が、10月1日から東北エリアに加えて東北新幹線の東京～郡山間と東京都区内でも利用できるようになりました。

• →東北エリアでのサービス開始発表時の記事
• →東北新幹線（東京～郡山間）／東京都区内へのエリア拡大発表時の記事

　JR東日本といえば、交通系ICカード「Suica」を推進しているわけですが、えきねっとQチケを使うメリットはどこにあるのでしょうか。実際に使ってみた上で考えてみます。

そもそも「えきねっとQチケ」って何？

　えきねっとQチケは、JR東日本のWeb予約サービス「えきねっと」の利用者を対象に発売（発行）するチケットレス乗車券です。えきねっとのチケットレス特急券（新幹線の自由席または指定席／在来線の指定席）と同時購入できる他、乗車券の単体購入も可能です（※1）。

　2025年10月時点では、JR東日本の以下の線区で完結する乗車で利用できます。

　上記にない線区は、2026年中に対応する予定です。

（※1）新幹線で利用する場合は新幹線特急券とセットでチケットレス購入する必要がある（Qチケ乗車券と紙の特急券の組み合わせは不可）

「えきねっとQチケ」を買うには？

　えきねっとQチケは、えきねっとのWebサイト、またはスマートフォン向けの「えきねっとチケットレス」アプリ（Android版／iOS版）から購入可能です（※2）。代金の決済方法は3Dセキュア2.0（オンライン本人確認）に対応するクレジットカード／デビットカード／プリペイドカードのみとなります。

　通常のきっぷ（乗車券／特急券）やチケットレス特急券類と同様に、同一行程で最大6人分まで同時に予約可能です。

（※2）JR東日本の株主優待券またはJRE BANK優待割引券を利用する場合はWebサイトでのみ購入可

Webサイトでの予約

　Webサイトで予約をする場合、予約の“全区間”がQチケ対応だと特急券とセット購入では「きっぷの種類」、乗車券単体で購入時は「乗車券の申込」の選択肢としてQチケが出てきます。

　ただし、新幹線で完結する予約では交通系ICカードを使う「新幹線eチケット」が標準の選択肢となっており、初期設定ではQチケが選択肢として出てきません。いったん「その他のきっぷ」を選ぶと、第3の選択肢としてQチケが出てきます。なお、新幹線でQチケを使うには、先の注釈にある通り乗車券と新幹線特急券を同時購入する必要がありますので注意してください。

アプリでの予約

　えきねっとチケットレスアプリで予約する場合、予約の“全区間”がQチケ対応だと検索結果画面の上方の「えきねっとQチケ」のタブが濃い緑色で表示されます。これを選択してから予約操作を進めることで、Qチケの購入が可能です。

乗車券のみの場合も「時刻表検索」が必要

　えきねっとQチケでは、乗車券のみを買う場合も区間を指定して検索した上で後に乗車する列車を選ぶ必要があります。ただし、乗車日／有効期限にさえ気を付ければ指定した列車以外に乗車しても構いません。

　片道100km以上のQチケは、紙の乗車券と同様に途中下車可能です。ただし、以下のいずれかの条件にあてはまる場合は、距離を問わず途中下車できません。

• 大都市近郊区間（東京／仙台近郊区間）で完結する乗車の場合
• 乗車券と特急券をセットにした「トクだ値」（特別な割引）を適用している場合

特急券付きの場合は要注意

　一方で、特急券とセットのQチケを購入した場合、乗車する列車の取り扱いは以下の通りとなります。

【新幹線のチケットレス自由席特急券とセットの場合】

　乗車券のみ購入した場合と同様に、乗車日／有効期限さえ気を付ければ購入時に指定した列車以外に乗っても構いません。ただし、乗車券が途中下車対応でも、特急券部分は途中下車で無効となります。途中下車した駅から改めて新幹線を使う場合は、特急券を買い直してください。

【新幹線／在来線の指定席特急券とセットの場合】

　座席を確保した列車に乗り遅れが確実な場合は、あらかじめWebサイトから予約変更をしてください。変更は発車予定時刻の4分前（新幹線）または6分前（在来線）まで可能です。ただし、トクだ値を適用した予約の場合、事故や自然現象による遅延時を除いて割引可能な残席がある場合のみ予約変更可能です。

　万が一、予約変更せずに指定列車に乗り遅れた場合の扱いは以下の通りとなります。