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ドコモ、5G速度で首位も「一貫した品質」でなぜ最下位? auが10部門で受賞 Opensignal調査

Opensignalが2026年Q1のモバイル調査を発表し、auが信頼性や一貫した品質など10部門で首位となった。ソフトバンクは5G利用率で単独受賞、ドコモは5G速度で首位だが一貫した品質では最下位という結果だった。楽天モバイルは上り速度で優位性を見せており、国内キャリアの評価は項目ごとに分かれる形となった。

 Opensignalが、2026年1月1日から3月31日までの期間に収集したデータを分析し、日本のモバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポートを発表した。

auが10部門で単独受賞 ソフトバンクは5G速度が向上

 今回の調査でauは、ユーザーがタスクを完了できる頻度を示す「一貫した品質」と、ネットワークへの接続性を示す「信頼性エクスペリエンス」の両部門で単独受賞した。信頼性部門では1000点満点中967点を獲得し、4期連続の受賞となる。一貫した品質でも88.3%を記録し、ソフトバンクの86.9%を上回っている。

 この一貫した品質と信頼性エクスペリエンスは、数ある指標の中でも、特にキャリアが重視するものだという。日本カントリー・マネージャーの内田真二氏は「これらの指標が上がることでユーザー体感が上がると考えられており、(キャリア各社)はネットワーク品質を向上すべく、これら指標を改善するよう努めていると理解している」と説明する。

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auは10部門で単独受賞した

 auはさらに、ビデオやゲーム、音声アプリなどのエクスペリエンス部門において、全体と5Gで単独首位となった。auは10部門で単独受賞、1部門で共同受賞を果たし、国内キャリアで受賞トップとなった。地域別の受賞数でもトップに立ち、全国8地域で単独受賞45件、共同受賞46件を獲得した。


通信品質の高さを図る総合的な指標といえる「一貫した品質」と「信頼性エクスペリエンス」でauが首位に立った

 ソフトバンクは、通信速度と5Gの接続性で高い評価を得た。利用者のダウンロード速度は前回調査から17%向上し、同部門でのリードを広げている。また、ユーザーが5Gに接続している時間の割合を示す「5G利用率」は27.4%を記録し、国内唯一の受賞者となった。現在はノキアと協力し、西日本全域で5G SA(スタンドアロン)方式のサービスエリア拡大やネットワークの更新を進めている。

ドコモ、速度やカバレッジが1位も一貫した品質が最下位

 NTTドコモは、「5Gダウンロード・スピード部門」で159.1Mbpsを記録し、単独1位となった。また、人口密集地域における地理的な広がりを示す「カバレッジ・エクスペリエンス」と「5Gカバレッジ・エクスペリエンス」で首位を維持した。同社は都市部の通信混雑を解消するため、4.5GHz帯を利用したエリクソンのMassive MIMOアンテナ一体型無線装置の導入を開始した。


ダウンロード速度やカバレッジではドコモが1位を獲得した

 その一方で、ドコモは一貫した品質で楽天モバイルの82.1%を下回る80.7%で最下位となった。1位はauの88.3%、2位はソフトバンクの86.9%だ。カバレッジや下り速度が1位ながら、実際の品質では他キャリアを下回るという逆転現象が起きている。速度やカバレッジが高評価でも、品質でポイントを下げているということは、5Gエリア内で速度が出ても、実際の応答が遅かったり遅延があったりすることが考えられる。

 内田氏は「これは1つだけの理由ではなく、複合的な理由で現在の結果になっている。例えば周波数帯の制約や基地局が建設中であることなど。ドコモもこの結果をよく認識しており、要因の改善に努めている状況だと思う」と述べる。

 ドコモは5G基地局数でauとソフトバンクに後れを取っており(関連記事)、基地局の少なさから5Gエリア内でもトラフィックをうまく分散できておらず、品質低下につながっている可能性がある。

 なお、信頼性エクスペリエンスでは、ドコモはソフトバンク、auに次ぐ3位に位置している。

 ドコモにとっては厳しい戦いが続いているが、内田氏は、世界規模で見ると日本の通信品質は高いことにも言及する。

 「日本の指標は、他国の結果を比べると、総じて高い数値を示している。ドコモの数値も、グローバルで比較すると、極めて高い位置にある。日本の市場は競争力が高い。auやソフトバンクが一貫した品質でグローバルリーダーであるが、決してドコモの数値が低いというわけではない」

楽天モバイルは上り速度がトップ評価

 楽天モバイルは上り速度で優位性を見せ、「アップロード・スピード・エクスペリエンス」と「5Gアップロード・スピード」の両部門で受賞した。5Gインフラへの継続的な投資により、カバレッジや体感指標も前回から向上した。現在はノキアのクラウド技術を自社ネットワークに導入しており、自動化の強化と障害への耐性を高めることで、サービスの安定化を図っている。


アップロード速度は楽天モバイルが1位となった

山手線の通信品質も検証

 山手線での通信速度をまとめた「山手線エクスペリエンス」では、下り速度は92.6Mbpsのauと88.6Mbpsのソフトバンクが共同受賞した。3位はドコモの69.6Mbps、4位は楽天モバイルの31.5Mbpsだった。一方、上り速度は楽天モバイルが14.4Mbpsで首位に立った。

 一貫した品質(テスト成功率)は85.8%のソフトバンクと85.4%のauが共同受賞。ドコモは75.2%、楽天モバイルが66.1%だった。信頼性エクスペリエンスもソフトバンクとauが共同受賞し、ドコモが3位、楽天モバイルが4位と続く。


山手線の通信品質は、auとソフトバンクが優勢だ

auはグローバルでもトップクラスの評価

 Opensignalはグローバルでキャリアの通信品質を検証しており、世界各国のキャリアを横断した「Opensignal Global Awards」も発表している。この2026年アワードで、auは信頼性エクスペレンス、ゲームエクスペリエンス、通話アプリエクスペリエンスで受賞し、au、ソフトバンク、楽天モバイルが4Gと5Gの接続時間で受賞した。auは世界的に見ても通信品質がトップクラスのキャリアであると評価されたといえる。


auはグローバルでも多数受賞している

 上記の「グローバルウィナー」に次ぐ評価の「グローバルリーダー」では、auとソフトバンクが一貫した品質、ソフトバンクが信頼性エクスペリエンスで受賞した。ドコモは通話アプリエクスペリエンスで受賞した。

 国内キャリアの評価は、auとソフトバンク、ドコモと楽天モバイルで二分されているのが現状だ。ドコモの前田義晃社長は、かねてOpensignalの一貫した品質で1位を獲得することを目標に掲げているが、現在の対策が実を結び、国内外で評価を高めることができるか注目したい。

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