“リボルバースタイルならでは”の使い勝手を〜進化したソフトウェア
“デジカメっぽい”キセノンフラッシュや、“カーナビっぽい”電子コンパスといった目玉機能が目立つ「A5502K」だが、日常的な使い勝手を左右するソフトウェアの進化も見逃せない。「A5305K」で好評だった“リボルバースタイル”も使いやすさに磨きがかかっている。
デジタルカメラのような、そしてカーナビのような使い勝手を可能にする「A5502K」には、液晶部が回転する“リボルバースタイル”が採用された。「A5305K」で話題を呼んだこのスタイルは、A5502Kでさらに進化を遂げた。
もっと使いやすく〜進化したリボルバースタイル
リボルバースタイルといえば思い出すのが一号機となる「A5305K」。斬新なデザインのこの端末は、閉じたまま日常的に使う多くの機能を利用可能。“開く”操作が次の動作に連携する“リボルバーアクション”は、A5305Kが生んだ新しい使い勝手だ。
「リボルバーアクションは好評でしたが、人によっては動作に戸惑ったようで、機能を無効にしてしまう方もいらっしゃいました。これではリボルバーアクションが生かされない。そこでA5502Kでは一時的にリボルバーアクションを無効にできる機能を付けました」
リボルバーアクションは、着信時なら通話開始、Eメール閲覧中なら返信、静止画/動画撮影後なら添付してEメール送信──というように、ディスプレイ部を回転させると、状況に応じて頻度の高い次の動作に移行してくれる機能。便利な機能だが、“撮影した画像を加工してからEメール送信したい”といったような例外的処理の場合には、余計に手間がかかることもあった。
<リボルバーアクションのON/OFF>
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| ON状態 |
OFF状態 |
左は閉じた状態でメールを読んでいるところ。右下のアイコンが“開くと返信に切り替わる”ことを示している。この状態で側面のアプリキーを押すと右下のアイコンが消え、開いてもそのままメールを読み続けられる |
A5502Kは、リボルバーアクションが有効な状況下では、アプリキーを押すことで機能を一時的にオン/オフでき、その状態はディスプレイ右下の表示で確認可能だ。一時的に機能を無効にできることが、より使えるリボルバーアクションに進化したわけだ。
また前モデルでは、電話帳に登録された相手から電話がかかるとディスプレイに発信者番号と一緒に登録された名前も表示されていた。大型のディスプレイが常に表に出ているリボルバースタイルでは、誰から電話がかかってきたのかが他人に見えてしまうというプライバシー面の問題があった。
そこでA5502Kには着信時に名前を表示せず、アプリキーを押すと表示できる機能が追加された。この機能はキーロック中でも有効。端末を置きっぱなしで席を離れた時に着信しても、誰から電話がかかってきたかを他人に知られることはない。
<着信時の名前非表示機能>

“着信のみ名前表示をOFF”という設定が追加された。この設定では発着信履歴などでは電話帳に登録された名前が表示され、着信時は電話番号のみの表示となる。側面のアプリキーを押せば、電話帳に登録された名前がディスプレイに表示される
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ケータイ内の情報を集中管理〜機能強化されたペタメモ
「とっとこムービーケータイ」という愛称の「A1401K」に採用された「ペタメモ」も、A5502Kには進化した形で搭載されている。ちょっとしたメモを付箋のようにディスプレイ上に貼り付けられる機能で、情報に素早くアクセスできるのが特徴だ。A1401Kでは扱えるのが文字情報のみだったが、A5502Kではさまざまなデータを貼り付けられるようになった。
 ペタメモの一覧表示は終話ボタンで簡単にオン/オフでき、上キーでメモの選択が可能。閉じた状態ではリボルバーアクションも有効で、“電話番号を登録したペタメモから即座に発信”といった操作もできる
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予測候補に続いて通常変換の候補もシームレスで表示される。ページ単位で候補表示が行えるのも快適だ
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「ペタメモはテキストのメモだけでなく、アドレス帳の中にある情報、画像や動画、位置情報など、BREWアプリ以外のほとんどの情報を扱えるようにしました。メモというよりは“さまざまな情報へのリンク”というイメージで、端末内の重要な情報を一元管理できます」
ペタメモは、待ち受け画面に常に表示しておくこともでき、開いた状態では上キー、閉じた状態では側面の上キーを押せばペタメモ内の情報にアクセスできる。表示中の情報から即座にペタメモ登録できるのも、“まさにメモ感覚”で便利だ。
頻繁に電話をかける相手の電話番号やEメールアドレスを登録しておく、今日行く先の地図を事前に検索して登録しておく──など、使い方はさまざま。キー操作が制限される閉じた状態でも簡単に情報にアクセスできるなど、リボルバースタイルを生かす機能にもなっている。
ソフトウェア面では日本語入力が大幅に強化されている。Eメールの利用頻度が高い携帯電話では使い勝手を大きく左右する部分だ。
「Advanced Wnn(オムロンソフト製)は他の製品にも採用されていますが、フル機能バージョンを採用したのはA5502Kが初めて。読みの予測変換、次文節予測に加え、予測変換のまま通常変換の候補表示も可能です。これでよりシームレスに日本語入力が行えるはずです」
A5502Kでは予測変換候補が先に表示され、続いて通常変換候補も表示される。もちろん意図して通常変換を行うこともでき、予測変換候補が多い場合などには使い分けも可能だ。また候補一覧のページ送りもできるなど、ユーザーインタフェースも改善された。
ハイエンド端末らしい価値観を〜こだわりのデザイン
A5502Kは、初代リボルバースタイルA5305Kとはがらりとイメージを変えてきた。直線的でシャープなデザインになり、色合いも落ち着いたものに。“シックな大人のデザイン”といった趣だ。
「コンセプトはシンプル&クリーン。ヨーロッパの現代建築のイメージです。エアリーシルバーでは同じシルバーでも3種類の異なった色を使ってますし、ディスプレイ面のアクリルパネルもアクセントになっています。金属パーツは表面処理にこだわりました。デザイン面からもハイエンド端末らしさを追求して、微妙なコントラストを楽しめるデザインにしています」
A5502KのカラーはAiry SilverとEternal Black。決して派手ではないが、ヘアライン加工された金属パーツ、操作部のスリットなど、モノトーンの色使いの中にも微妙なコントラストがある。地味すぎず派手すぎない、高級感のある端末に仕上がった。
 方向キーやディスプレイ下部の金属パーツはヘアライン加工され、モノトーンに近い色使いの中でアクリルパネルやスリットがアクセントになっている
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このように選んだメニューをイメージした壁紙が表示される。壁紙も大人のセンスだ |
「常にディスプレイが露出するリボルバースタイルではディスプレイもデザインの一部だと思っています。メニューには選択した項目をイメージした壁紙が表示されるイメージフォトを採用しました。またディスプレイ部はハードコートされているのはもちろん、周囲よりわずかに低くしているので、ディスプレイ面を下にして机に置いても直接触れることはありません。画面が表に出ているからといって特別な扱いをする必要はないのです」
「ユーザーのみなさんが気にするヒンジ部の強度は、構造面の改良などで前モデルの約1.5倍を確保しています。A5305Kでトラブルがあったわけではありませんし、構造的な不安を感じる必要はありません」
ディスプレイ部の回転機構はA5305Kと比べてよりスムーズになり、作りこみもさらにしっかりしている。もちろん液晶部を振り出すようにして片手で開けるアクションも可能だ。機能的なメリットに、このリボルバースタイル──。使い勝手だけでなく、物としての満足感も満たしてくれる端末だ。
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