ウィルコム、ソフトバンクの下で再建を目指す更正計画案を提出
ウィルコムが10月14日、会社更生手続きの開始決定を受けて策定した更生計画案を東京地方裁判所に提出した。ソフトバンクの傘下に入り、PHS事業の維持と発展を図る。
ウィルコムが10月14日、会社更生手続きの開始決定を受けて策定を進めていた更生計画案を、東京地方裁判所に提出した。
更生計画案では、2.5GHz帯の周波数を利用するXGP事業をウィルコム本体から切り離し、ウィルコムはPHS事業の維持および発展に注力すること、発行済み株式と新株予約権はすべて無償で取得・消却すること、その上でアドバンテッジパートナーズ有限責任組合に普通株式(1株あたり1000円)を30万株発行し、ソフトバンクがスポンサー契約などに基づいてその株式の譲渡を受けることなどが盛り込まれている。更生担保権(約175億円)と更正債権(約235億円)は原則6年間で均等に分割弁済する。
つまりウィルコムは、ソフトバンクグループ傘下の1企業としてPHS事業を継続することになる。新たな資本金は1億5000万円、資本準備金は1億5000万円となり、XGP事業、PHSおよびXGP事業用の電柱などの資産、PHS基地局とXGP基地局のロケーションは、Wireless City Plannning(ソフトバンクとアドバンテッジパートナーズがサービス提供するファンドなどが出資予定の新会社)に継承される。
更生計画案が決定された暁には、管財人であり、ソフトバンク取締役兼ソフトバンクモバイル代表取締役副社長を勤める宮内謙氏を代表取締役に選定する予定だ。合わせて宮内氏と管財人代理でソフトバンクモバイル取締役専務執行役員兼CTO技術統括の宮川潤一氏、管財人代理でソフトバンクモバイル執行役員財務統括経営企画本部長の田中錬氏を取締役に選任する。社外監査役にはソフトバンクモバイル経理統括部トランザクション部管理課担当課長の伊吹伸安氏、ソフトバンクモバイル常勤監査役の片貝義人氏、ソフトバンク財務部長の後藤芳光氏を選任する予定だ。
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