KDDIの「新感覚スマートフォン」 キーの“押し心地”リアルに再現:ワイヤレスジャパン2011
KDDIがワイヤレスジャパン2011に参考出展した「新感覚スマートフォン」は、物理キーの押しこんだ感触をタッチパネルで再現する。京セラの技術を使った“Hapticタッチパネル”で実現。
ケータイではおなじみの“キーのクリック感”をスマートフォンにも――5月25日に開幕した「ワイヤレスジャパン2011」で、KDDIが「新感覚スマートフォン」を参考出展している。ディスプレイに圧力センサーと振動機能を組み込むことで、物理キーならではの押し心地を再現する。会場で実際に体験してみた。
タッチパネルだけど“カチッ”っと押せる
タッチパネルのスマートフォンには、「クリック感がないため選択されたかどうか分かりにくい」「軽く触れただけで反応するので誤操作が増える」といった課題があり、物理キーに比べて操作性が悪いと感じるユーザーも多い。こうした従来のケータイとの操作感の違いを少なくする技術として、同社は京セラの開発した疑似体験技術「Haptic技術」を使い、キーを押した感覚をタッチパネル上で再現している。
端末には、通常の静電式タッチパネルに加え、振動機能と圧力センサー機能を兼ね備えたHapticタッチパネルを搭載した。これにより、ディスプレイを触れているだけの状態と、強く押し込んだ状態とを区別して検出できる。
「親指入力派の人」に適すという「クリック入力モード」で文字を入力してみると、ソフトキーを押しこむことでディスプレイが振動し、キーを“カチッ”っと押したような感覚が得られた。振動するのはディスプレイ全体だが、触れているのは指先だけなので、あたかもその場所だけが振動したような感覚になる。
「タッチ操作になれた人」に適す「タッチ入力モード」では、文字キーに触れると“ブルッ”とした感覚が返ってきた。従来からあるバイブ機能に似ているが、振動するのが画面だけなので、より物理キーを押したフィーリングに近い。
押し込んだ際のクリック感と、触れた際のバイブとを出し分けるメニュー画面モードもある。アイコンに触れると“ブルッ”とした感覚が得られ、押しこめば“カチッ”。物理キーの場所を指の腹で探るように、バイブの感覚を頼りにしてソフトキーの場所を把握できる。
テンキー入力やアイコン選択といった、比較的大きなソフトキーを使った操作が紹介されていたが、例えばQWERTYキーなどの細かなキーにも活用できるという。実用化の時期は未定で、実装コストなどが今後の課題。消費電力に関しては、Hapticタッチパネル利用中は通常より多くの電力を消費するが、例えば文字入力の時だけ機能をオンにするなどの工夫をすれば「それほど問題にはならない」(説明員)という。
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