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KDDI、海上保安庁の船舶に実験基地局を開設――11月下旬に実地試験
KDDIが、海上保安庁の船舶に携帯電話基地局(実験基地局)を開設し、11月下旬に広島県で実地試験を行うことを発表した。災害時の運用を想定しており、海上から被災地をカバーすることで、さならる早期復旧を目指す。
KDDIが9月27日、海上保安庁の船舶に携帯電話基地局(実験基地局)を開設し、商用サービスと同等の電波を用いて実地試験を行うことを発表した。同社が総務省中国総合通信局が主催する「災害時における携帯電話基地局の船上開設に向けた調査検討会」(第1回が2012年6月25日に開催)に参加していることから決定した。
試験の実施時期は2012年11月下旬を予定。場所は広島県呉市倉橋町海上で、船舶は第六管区海上保安本部所有、巡視船くろせ。船上に開設した実験試験局の電波を沿岸部で受信し、音声通話、データ通信の品質を測定する。試験では「基地局からの電波強度」「潮位の変化に伴う品質への影響」「波による船舶の揺れに伴う品質への影響」を確認する。
KDDIは、災害などで通信障害が発生しているサービスエリアを早期に復旧させるため、車載型基地局、可搬型基地局、無線エントランス回線の増強などの取り組みを行っている。陸上の被災状況に影響されない海上から被災エリアをカバーすることで、災害時のさらなる早期復旧を目指す。同社は今後も、携帯電話基地局の船上開設の実用化を推進していく。
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