「使ってみたらすごくいい」で“ファン”を増やしたい――Huaweiに聞く、日本市場の攻め方(2/2 ページ)
Ascendシリーズで幅広いスマートフォンを投入しているHuawei。日本では「STREAM X(GL07S)」と「Ascend D2 HW-03E」が発売され、スマートフォンにも力を入れている。同社の日本におけるスマートフォン戦略を中心に話を聞いた。
日本人は、より小さい画面を好む
最近は5インチを超えるディスプレイを持つスマートフォンも珍しくはなくなってきたが、その中で6.1インチ液晶を備えるAscend Mateのインパクトは大きい。ソニーモバイルも、6月25日に6.4インチディスプレイを搭載する「Xperia Z Ultra」を発表するなど、“6インチスマホ”も今後さらに増えるかもしれない。画面サイズについてホウ氏は「以前は3.5インチや4インチが一番人気でしたが、最近は4.7インチや5インチが人気を集めています。iPad miniが発売されてから、10インチよりも7インチクラスを好むユーザーが多いように見受けられます。タブレットは7インチ寄りになってくるでしょう。Huaweiはスマートフォンでは4.7、5、5.5インチの製品に力を注いでいきたいと考えています」と話す。
ただ、「日本のユーザーは、より小さい画面を好む傾向にある」とホウ氏はみる。そのためか、Ascend Mateの日本での発売は「現時点では予定していない」とのこと。「ユーザー調査を行ったところ、日本では4.7と5インチが人気でした。日本人は特に、持ちやすさを重視している人が多く、幅70ミリを超えるサイズはあまり受け入れられません。中国人は幅75ミリ以上でも気にしない人は多いですし、中国で発売しているAscend Mateは、生産が追いつかないほどよく売れています」
同じアジアでありながら、なぜ日本と中国でサイズに対する嗜好が異なるのか。ホウ氏に尋ねたところ「私個人の考えでは、文化の違いが大きい」と話す。「日本では通勤中に電車でスマートフォンを片手で使うことが多い。中国でも地下鉄に乗る人が多いですが、スマートフォンは休日や就寝前に、ショッピングしたり映画を見たりするのに使う人が多いので、大きい画面の方が適しているのではないかと思います」
OSはオープンな姿勢で
HuaweiはAndroid以外にWindows Phoneも開発しており、Firefox OSへの参入も表明している。OSの展開についてホウ氏は「オープンな姿勢でいます」と話す。「一番重視しているのはユーザーの要望です。現在はAndroidに最も力を入れていますが、それ以外のOSも、通信事業者様やお客様から要望のあるものを提供していきたいと思っています」
Huaweiのファンを増やしたい
ドコモブランドのタブレット「dtab」は、メーカー名をあまり表には出していないが、Huaweiが開発した製品だ。「dtabはドコモさんのサービスを提供する戦略的なタブレットという形で話をいただきました。戦略的な価格で出させていただくために、MediaPadのやや下のクラスをベースにして提案したところ、最終的に商品化をする決定をいただきました」(伊藤氏)
ただ、dtabはオンラインショップで先行販売した当初は売れていたが、店頭販売を開始してからは、売れ行きが伸び悩んでいるという声も聞く。Ascend HW-01EやAscend D2 HW-03Eのスマートフォンも、ヒットしたとは言い難い状況だ。Huaweiは今後、日本でどのようにマーケティング活動をしていくのだろうか。伊藤氏に聞いた。
「HW-01Eでは水原さんを起用してCMを打ち、Ascendブランドの認知率は向上したという感触を得ましたが、購買するところまではなかなか結びつきませんでした。Ascend D2は、ショップ店員さんにお勧めしていただけるように、店員さん向けの勉強会など地道な活動に力を入れています。Huaweiの名前を前面には出していない(ドコモの)キッズケータイやdtabなども『使ってみたらすごくいいよね』とお客様に実感いただき、そうした製品とAscendブランド製品を継続的に展開することで、Huaweiのファンを増やしていきたいですね」
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