iOS 6と比べてココが便利/不便になった――「iOS 7」詳細レビュー(4/4 ページ)
日本では9月19日から「iOS 7」が提供されている。グラフィックが一新され、コントロールセンターやAir Dropなどの新機能も多く追加された。ここでは、100以上あるという新機能の中から、特に注目度の高いものをピックアップしてレビューした。
英数字関連の変換が賢くなったが、不満点もある文字入力
日本語入力で変化したところはあるのだろうか。変換の精度はあまり変わっていない印象だが、数字と英語に関連する変換能力が向上している。まず、数字を入力した後に単位を連携予測するのはATOKやiWnnなどではおなじみだが、iOS 6では「日」「月」「年」「時」といった内容のみで数が少なかった。iOS 7では単位の数が増えており、「ヶ月」「個」「週間」「時間」「丁目」なども連携予測される。
iOS 6では「12」「123」など2ケタ以上の数字を入力して「確定」を押すと、単位は連携予測されないが(変換候補から数字を選ぶと単位が連携される場合がある)、iOS 7では2ケタ以上の数字を入力して「確定」を押すと、連携予測が可能になっている。ただし「11」「200」「31000」など下2ケタ以上が同じ数字の場合、なぜか単位が連携予測されなくなる(iOS 6では11などでも、日、年、時といった簡単な単位は連携予測された)。
「i」で「iTunes」「iOS」、「d」で「DVD」、「T」で「Twitter」など、英語の予測変換にも対応した。一度入力した英語も学習し、予測変換が可能になった。
一方、日本語かなキーボードで英語を入力すると、iOS 6ではまず大文字が変換候補に現れたが(小文字はそのまま「確定」を押せばよい)、iOS 7では、なぜか小文字のみが変換候補に現れ、大文字に変換できない。大文字にするには、1文字打つごとに「a/A」ボタンを押して大文字に変換する必要があるので、非常に面倒だ。これは早急に改善してほしい。
ネット上でも話題になっているが、「げきおこ」で「激おこぷんぷん丸」、「てへ」で「てへぺろ」、「あべの」で「アベノミクス」といった具合に、予測変換できる流行語(?)もいくつか追加されている。
そのほかの変更点
Spotlightはどうやって呼び出す?
iPhoneに保存されたアプリや各種データを検索できる「Spotlight」は、従来はホーム画面でホームボタンを押すか、先頭のページで右へフリックすると呼び出せたが、iOS 7ではホーム画面で上から下へ軽くフリックする操作法に変更されている。連絡先、アプリ、音楽、ビデオ、メモなど検索できる項目はiOS 6と同じだが、WebやWikipediaから検索できる機能が、iOS 7では省かれている。手軽にWeb検索できる機能として重宝していた人も多いと思うので残念だ。
フォントサイズを変更できる
「設定」→「一般」に「文字サイズを変更」という項目が追加されている。ここのバーを調整すると、Dynamic Type機能をサポートしているアプリのフォントを変更できる。プリインストールされているアプリでは、連絡先、メモ、メール、メッセージ、マップなどのフォントが変更される。また、「アクセシビリティ」の「より大きな文字」から、さらに文字サイズを大きくできる。
文字を太くする
iOS 7のフォントは細くて見にくくなった……と感じる人も多いだろう。その場合、「設定」→「一般」→「アクセシビリティ」から「文字を太くする」にチェックを入れればよい。いったんiPhoneが再起動した後、太いフォントに変更される。
メッセージアプリに日時のショートカット
iOS 7アップデート後にメッセージアプリで受信した本文に日時が含まれると、そこからカレンダーのイベント作成したり、カレンダー上にその日時を表示したりできる。
見た目が大きく変わって新機能も多数追加されたiOS 7。同じiPhone 5でも、まるで新しいiPhoneを使っているかのような新鮮な気分で使えるのは良い。一方で、どこかこなれていない通知センターや、SpotlightのWeb検索・英語の大文字変換の廃止など、iOS 6より不便になった部分もある。コントロールセンターのショートカットをカスタマイズできないのももったいない。まだリリースされてから日が浅いこともあり、今後のブラッシュアップに期待したい。
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