ドコモの戦略的決断はやむを得ない──パナソニック社長、国内スマートフォン“休止”を語る:CEATEC JAPAN 2013
パナソニック代表取締役社長がCEATECの展示ブースを視察し、同社トップとして国内個人向けスマートフォン事業の“休止”について言及した。
市場の状況や環境をみると非常に厳しい事業である
パナソニック代表取締役社長の津賀一宏氏が、10月1日にCEATEC JAPAN 2013で各社展示ブースを視察した。津賀氏は、視察後に報道関係者と質疑応答を行い、その中で、先日正式に発表して10月1日付けから体制が大きく変わる国内個人向けスマートフォン事業の“休止”について、同社トップとして言及した。
津賀氏は、「もともと、パナソニックは国内のスマートフォンで出遅れており、一生懸命キャッチアップしていい製品を作ってきたつもり」と、スマートフォン事業への取り掛かりが遅れたことを認めている。しかし、その上で、「日本の商品で作りこもうとすると、数がある程度とれないと(販売できないと)開発費が回収できない」と、個人向けスマートフォン事業における日本メーカーの問題点を挙げる。
この状況をふまえたうえて、「これだけ大きなメーカーがひしめくなかで、パナソニックが本当に赤字を出しながらもこの領域(個人向けスマートフォン事業)で貢献していくべきなのか、その技術者とお金があるならば、もっともっとパナソニックがやりたいこと、やれることがある」と述べ、より成長が期待できる分野にリソースを割り当てる考えを改めて示した。
その具体的な例として、「スマートフォンでいえばビジネス向け法人向けの展開」「通信技術をさまざまな業務用機器に組み込んでいく展開」を挙げ、さらに、CEATEC JAPAN 2013でもメインの展示製品となっている「4Kタブレットデバイスのような展開」も訴求する。
津賀氏は、「多くの領域で技術がオーバーラップしているので、そういう意味では、パナソニックの選択肢としてメリハリをつけた対応をせざるを得なかった」と国内個人向けというスマートフォンの主要事業を休止する理由について語った。
なお、パナソニックの国内スマートフォン事業の見直しを公式で初めて発言した第一四半期決算発表で、パナソニック常務取締役(経理財務担当)の河井英明氏が「NTTドコモのツートップ戦略は、(パナソニックのスマートフォン事業にとって)大変厳しい状況と理解して間違いない」と発言した真意について、津賀氏は「唐突であったのでパナソニックとして準備ができていなかった。製品ができあがったところで(販売)数が出ないということなので、2013年は計画倒れになってしまったという意味で厳しかった」と説明する。
ただ、津賀氏はNTTドコモにおいても、市場の状況や環境的に非常に厳しい事業であるという考えを示した上で、「(NTTドコモのツートップという)戦略的な決断はやむを得ないと思っている」と述べている。
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