ゲームで育てた作物が“リアル”に届く!?:R25スマホ情報局
「畑っぴ〜里山くらし〜」は、ゲーム内で作物を育ててポイントを手に入れ、本物の作物と交換できるアプリ。数十種類の野菜や果物を育成でき、実際に味わえるのだ。
「ゲームの世界が現実になったらな…」。そんな妄想が、徐々に実現されてきているのをご存じだろうか? 今回紹介する『畑っぴ〜里山くらし〜』(Android/iOS対応)は、ゲーム内で作物を育て、収穫時に手に入れたポイントを本物の作物と交換できるアプリ。数十種類の野菜や果物を育成する過程を楽しめる一方、2週間毎日ログインしなければリンゴが獲得できない…など、農作業の苦労も味わえるユニークなゲームとなっている。
「ゲームを通して、スーパーに出回っていない美味しい作物を食べてもらうきっかけを作りたかった」と話すのは、『畑っぴ』を提供しているエルディの代表・宮崎尚登さん。アプリとリアルをつなげるにあたり、苦労はたくさんあったようだ。
「サービスを開始するに当たり、最も大きな問題は“農家が相手にしてくれない”ということでしたね。『ゲームで農家をブランディングするために、作物を提供してほしい』と言っても、農家の方にはなかなか伝わりませんから…。ある若手の農家の方に興味を持っていただき、なんとか2010年にスタート。その後、作物を食べた方から好評をいただき、その農家の方に作物を購入したい問い合わせが来るなど、少しずつ実績を出せるようになりました。今では、若手の方に限らず幅広い年代の農家の方々の協力をいただいています」
当初はユーザー獲得にも苦労したという。
「最初は『ゲームで売ろうとするんだから、質が悪くて売れない作物が届くのだろう』と思う方も多かったでしょう。だからこそ、高品質の作物で驚かせてユーザーを感動させたいという想いが強くなり、品質は絶対に妥協しないと決めました。2012年まではユーザーも少なかったのですが、育てた作物の送り先を5カ所まで指定できるようにすることで、家族や友人への『おすそわけ』機能を実装。これにより『畑っぴで送られてくる野菜は美味しい』『珍しい種類の果物を高級スーパーよりも安く手に入れられる』といった口コミが評判になり、ユーザーも増えてきました」
現在のユーザーは95%が30〜50代の女性。子供と一緒に利用しているユーザーが多く「『お母さんが作ったピーマンだから頑張って食べる』と言ってもらえた」との声が届くなど、知育アプリとしての側面もあるようだ。
「収益は、アイテム課金もありますが、最も大きいのは地域活性化活動として認められたことによる自治体からの支援金です。現在では、作物を現地に採りに行くための旅行チケットを、ゲームで貯めたポイントと交換できるシステムも取り入れ、いっそう地域の活性化に力を入れて取り組んでいます」
海外から「日本の農作物を食べてみたい」という声も届いており、今後はアプリを通してリアルな作物を海外に届ける計画を考えている宮崎さん。ほかにも、酒造と提携し、アプリ内で育てた日本酒がリアルに届くというような男性向けのサービスも検討中とのことだ。
自分が(スマホ内で)手間ひまかけて育てた日本酒…それは美味しく飲めそう! まずは野菜&果物で、アプリとリアルがつながる楽しさを体験してみては?
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