業界最安プラン+豊富な端末が魅力、弱点は「実店舗なし」――「DMM mobile」(2015年7月):格安SIM徹底レビュー(2/3 ページ)
各社がし烈な競争を繰り広げる格安SIMサービス。料金、基本機能から実行速度、サポート体制まで、あらゆる要素を徹底レビューしていく。今回取り上げるのは、DMM.comがMVNOとして提供している通信サービス「DMM mobile」だ。
設定方法:申込時期によりAPN名が異なる
本レビューの評価対象外ではあるが、設定方法を紹介しておこう。SIMカードを入手してから最初に行うのがAPN(アクセスポイントネーム)の設定。Androidの場合、APNを新規作成し、以下の通りに設定する。
- 名前:任意の名前を入力(例:DMM mobile)
- APN:「dmm.com」を入力(申込みタイミングによってAPN名は異なる)
- ユーザー名:「dmm@dmm.com」を入力
- パスワード:「dmm」を入力
- 認証タイプ:「PAPまたはCHAP」を選択
APNの設定は、Ascend Mate 7の場合、「設定」→「その他」→「モバイルネットワーク」→「アクセスポイント名」からアクセスできる。ほかのAndroid端末でも似たような流れのはずだ。
iPhoneの場合はあらかじめWi-Fiに接続し、「APN構成プロファイル」をダウンロードし、インストールする。ダウンロードページはこちら。詳細は設定マニュアルも参照してほしい。
基本機能:低速通信時でも一定量だけ高速通信可能なバースト転送
DMM mobileは、高速通信(最大225Mbps)と低速通信(最大200kbps)を、アプリを使ってユーザーが任意で切り替えられる。ただし短い間隔で連続して切り替えることはできず、その場合は時間を置いて行うよう表示が出る(といっても1分程度待つだけ)。
通信容量が余れば翌月に繰り越せる。また前述したとおり、追加で購入した通信容量は3カ月後まで繰り越せる。
DMM mobileの大きな特徴として「バースト転送」が挙げられる。これは200kbpsの低速通信時でも、一定の容量だけは高速で通信できるようになる機能のことで、IIJmioで提供されているものと同じ。もともと200kbpsのライトプランでも、このバースト転送は有効だ。SNSの更新や容量の軽いサイトを閲覧するときなど、データ容量をそれほど消費しない通信をするときに便利だ。
DMM mobileでは現在のところ、Wi-Fiスポットは提供されていない。
基本機能
評価:8/10
翌月繰り越し:2
高速/低速通信切り替え:2
データ容量追加:2
オリジナルアプリ:1
バースト転送:1
Wi-Fiスポットの提供:0
留守番電話:0
端末ラインアップと対応機種:スマホ、タブ、ルーター計10セット
DMM mobileは公式サイト内に「端末セット」のページがあり、スマートフォンやモバイルWi-Fiルーターが計10機種が紹介されている。ただしZen Fone 2は内蔵メモリのRAM別で2Gバイト版と4Gバイト版があるため、実質計9機種といえる。
その場から申し込みが可能で、データSIM、通話SIM、MNPを選択できる(タブレットの場合は、データSIMのみ)。
DMM mobileならではの機種はないものの、「Zen Fone 2」「Ascend Mate 7」という人気機種に加え、最新の「HUAWEI P8lite」も加わった。またタブレットは「ASUS MeMO Pad 7」、モバイルWi-FiルーターはNECプラットフォームズ製の「Aterm MR03LN」を選べる。日本メーカー製の防水対応スマホとして、シャープの「AQUOS SH-M01」も追加された。スマホ、タブレット、ルーターを幅広く扱っているといえる。
動作確認済みの端末は、DMM mobileのWebサイトで紹介されており、執筆時点ではスマホとタブレットのほか、携帯ゲーム機、ノートPCなどおよそ170機種程度を確認できた。
割賦販売については10機種とも24回払い、あるいは一括払いでも購入できる。最安は一括2万2000円(24回払いでは999円✕24カ月)のAscend G620Sだ。
端末ラインアップ
評価:9/10
動作確認済み端末の掲載:1
Androidに対応:1
iOSに対応:1
SIMカードとのセット販売:1
端末ラインアップ3機種以上:1
タブレットを販売:1
モバイルWi-Fiルーターを販売:1
独自端末を販売:0
LTE端末を販売:1
割賦販売:1
販売場所:オンラインのみで対応、MNPの即日対応は不可
DMM mobileのSIMカードは、WebサイトであるDMM.com内のDMM mobileのページから申し込む。実店舗はなく、配送が必要なので申し込んだ当日から使うことは現在のところできない。当然MNPの即日対応も不可だ。
Webサイト
前述の通り、DMM mobileのWebサイトから申し込む。
利用までの流れは、上記ページの注釈によると本人確認書類等を送り、DMM側で手続きが完了後、SIMの配送に5日程度かかる。またMNPの場合、手続きの完了からSIMカードの到着までの間、ユーザーの手元にある携帯電話は利用できない。
実店舗
実店舗は用意されていない。新規契約ならともかく、メインのスマホをMNPでDMM mobileにするとなると、1台持ちの人には厳しい。特に仕事で使っている人にとっては、致命的なデメリットと感じるだろう。
一方であまりケータイを利用しないから最安のDMM mobileにしておこう、と考えている人もいるだろう。そんな人は数日くらい使えないのは気にしないかもしれない。
販売場所
評価:2/10
オンラインでの対応:2
実店舗での対応:0
実店舗5店舗以上:0
MNPの即日対応:0
独自店舗:0
関連キーワード
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