100万請求も!? 紛失スマホ、悪用事例集:R25スマホ情報局
出先に忘れたり、落としたりして紛失したりしたスマホが悪用されてしまう事例が相次いでいます。国民生活センターの担当者から、実際に起こった悪用事例と、私たちが取れる対策について話を聞きました。
出先に置きっぱなしにしたり、どこかで落としてしまったりと、うっかりスマホをなくしてしまった経験はないだろうか? 無事に戻ってくればいいが、なかには悪用されてしまうケースも少なくないのだとか…。
国民生活センターの発表によれば、スマホを含む携帯電話の紛失・盗難に関する相談件数は、2013年度の367件に対し、2014年度は376件と増加したそう(2015年7月15日までの登録分)。なかにはスマホが不正利用され、高額請求をされたという相談も少なくない。では、どんなトラブルが起こり得るのか? 同センター相談情報部相談第2課の内藤奈津樹さんに具体的な相談事例を教えてもらった。
●海外で盗まれ、約100万円の請求が発生
スペイン旅行中、地下鉄でスリにスマホを盗まれた。すぐに警察に届けたものの、スマホのIDがないと受理できないといわれ、被害届を受け付けてもらえず…。帰国後に携帯電話会社に連絡して回線を止めてもらったものの、すでに悪用されており、国際電話サービスを利用されていたため100万円近くの利用料が発生していた。
(2014年11月、20代・女性)
●紛失中、勝手にサービスに登録されていた
スマホを外出先で落としてしまい、数日後に発見。しかし、身に覚えのない請求メールが届き、調べてみると5〜6件のサービスに登録され、1万5000円近くの請求が発生していた。すぐに解約しようとしたが、登録時のパスワードやIDがわからず、受け付けてもらえなかった。
(2014年10月、30代・男性)
●画面ロックを解除されて、不正使用
花火大会でスマホを盗まれたが、翌日に届け出があり手元に戻ってきた。画面ロックをかけていたものの、簡単に見破られるパスワードだったせいか解除されてしまい、ネットショッピングに5万円、国際電話に1万円、電子マネー1万円の計7万円が使用されていた。
(2014年8月、30代・女性)
また、金銭的な被害以外にも、スマホに登録されている個人情報の悪用や、それに伴う不安を訴える相談も少なくないという。たとえば、「スマホを紛失した後、職場に悪質なイタズラ電話がかかってきた」(2014年11月、30代女性)などだ。
なお、紛失中にスマホを不正に使用された場合、携帯電話会社の約款によれば、基本的にはユーザーの責任となり、請求額を支払う必要があるそうだ。
紛失してしまったりや盗難に遭うのは不可抗力だが、こうした悪用のリスクを最小限に抑えるには、次のような防衛策を日頃からしておくべきだという。
〈スマホ紛失によるリスクを軽減する4箇条〉
- SNSのアプリやSIMカードのパスワードは、特定されにくいものを設定する
- ログインが必要なウェブサイトのユーザー名やパスワードは、ブラウザに記憶させない・遠隔ロックやキャリアの補償サービスなど、紛失時に利用できるサービスや機能に加入しておく
- データのバックアップを取っておく
「万が一スマホをなくしてしまったら、不正利用を防ぐために遠隔ロックや位置検索を行ってから通信回線の停止手続きを行い、警察署や通信事業者へ速やかに届け出ましょう」(内藤さん)
スマホをなくした場合、自分自身が被害を受けるのはもちろん、SNSやメール、電話帳に登録されている人などにも影響を及ぼしてしまう。万一のケースを考え、端末の管理にはより一層の注意が必要といえそうだ。
(南澤悠佳/ノオト)
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