使ってみれば、まるで別物――iPhone 6s/6s Plusは“スマートフォンを再発明”した(3/4 ページ)
iPhoneは長足の進歩を遂げたが、根幹となるユーザー体験の部分は「初代iPhone」を改善し洗練させていく道程だったのだ。しかし、iPhone 6s/6s Plusに触れて、その状況が変わるのではないかと感じた。「6s」の真価はどこにあるのだろうか?
予想以上に楽しい「Live Photos」
iPhone 6s/6s Plusのカメラ機能の進化は、それだけでも十分なトピックスであるはずだ。しかし、それで終わりとしないのがAppleらしいところ。同社は今回、カメラ機能を一新するに際して、「Live Photos」という新しい提案を行っている。
では、Live Photosとは何か。これは写真を撮るときに、シャッターボタンを押した瞬間の前後約1.5秒ずつを動画しても保存し、「動画付き静止画」として写真を扱う機能だ。似たような機能はこれまでも提案されてきたが、AppleのLive Photosは撮影したiPhone 6s/6s Plusはもちろん、iOS 9やOS Xの「写真」アプリでもLive Photosが再生できるようになっている。
また、Live Photosは内部的には「静止画」+「動画部分」に分かれており、AndroidスマートフォンやWindows PCなどにメールで送る際は“シャッターボタンを押したときに撮影された静止画”が送付される。
Live Photos機能は標準状態ではオンになっており、シャッターを押すと「LIVE」の文字がしばらく明滅し、前後の映像が保存されているのが分かる。このLIVE表示中に再度シャッターを押せば、続けて写真を撮ることも可能だ。また、料理など静物写真を撮るときや映像を保存せずに撮影したらすぐにカメラをしまいたい時などは、Live Photosボタンをタップして任意で機能をオフにすることもできる。
撮影したLive Photosは、iPhone 6s/6s Plusの写真アプリで管理できる。この際に写真のサムネイルやプレビューをプレスすれば、写真がスムーズに動き出す。一方、OS Xの写真アプリで取り込んだ場合は、「シャッターボタンを押したときの静止画」と「その前後を含む3秒の動画ファイル」の2つに分かれた状態でインポートされた。
ちょっとユニークなのは、同じiOS 9で3D Touch非対応のiPhone 6に、Live Photosを送った場合だ。この際、メールに添付して送ると静止画の写真だけが送られるが、AirDropを使えばLive Photos形式のままiPhone 6に取り込まれた。そして、iPhone 6ではLive Photosの写真を長押しすることで、映像部分が再生されるという仕組みだ。iPhone 6上のiOS 9で、擬似的に3D Touchっぽいインターフェイスを再現しているところにAppleのこだわりを感じた。
Live Photosは技術的にみて斬新というものではなく、機能としてこれまでにない画期的なものというわけでもない。しかし、Apple十八番の“直感的で分かりやすい実装”をしているおかげか、今までの写真のように違和感なく使えて、それでいて写真を見るときに映像がついててちょっとお得でうれしい気分になる。旅行先で家族写真を撮る時や、恋人や友人とホームパーティーやバーベキューをする時など、さまざまな場面で写真の楽しさに+αとなることは間違いない。
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